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ハノイでタミフル価格高騰、需要増による供給逼迫

<写真:tienphong.vn>
ハノイ市ではインフルエンザ流行への懸念から抗インフルエンザ薬であるタミフルの需要が急増し、薬局での価格高騰が発生している。
ハノイ市内の薬局では政府が定めた価格を大幅に上回る水準で販売されるケースが相次ぎ、消費者の不満が高まっているという。
ハノイ市疾病管理センター(CDC)によると、2025年1月のインフルエンザ感染者数は820人に達し、前年同期比で6%となる51人増加した。
2024年を通じた累計感染者数は7133人で、引き続き増加傾向にある。死亡例は確認されていないが、感染拡大への不安により市民が予防目的でタミフルを求める動きが加速している。
ベトナム保健省医薬品管理局の公表データによれば、タミフル75mgカプセルの10錠入りは、正規価格が1錠あたり4万4877ドン(約272円)である。
しかし、市内の薬局では1錠あたり5万2000ドン〜7万5000ドン(約315〜455円)と、大幅に上回る価格で販売されていることが確認されている。
薬局側は供給不足による仕入れ価格の上昇が原因と説明するが、一部の薬局では処方箋なしで販売されていることも確認された。
タミフルはインフルエンザA型・B型の治療および予防に用いられる抗ウイルス薬であり、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されている。
発熱、悪寒、筋肉痛、咳、喉の痛みなどの症状を軽減し、ウイルスの増殖を抑制する効果がある。
特に、免疫系や呼吸器系に問題を抱える患者にとって重要な薬であるが、専門家は「医師の指示なしにタミフルを使用することは推奨されない」と警告する。
過剰な使用は耐性ウイルスの出現を招く可能性があり、適切な使用が求められる。
タミフルの価格高騰を受け、ベトナム保健省は市場監視を強化するとともに、薬局による違法な価格操作や処方箋なしでの販売について調査を進める方針を示した。
専門家は「今後もインフルエンザの流行が続く可能性があるため、タミフルの安定供給に向けた対策が必要である」と指摘する。
価格操作を防ぐだけではなく、供給網の強化を図ることが、市民の負担軽減につながると考えられる。
政府の規制強化や供給の正常化に向けた取り組みが、タミフルの価格安定にどのような影響を与えるのかが注目される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。