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弟のための治療費寄付金、詐欺により一晩で全額喪失
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<写真:tuoitre.vn>
ベトナム中部クアンガイ省で、交通事故に遭った弟の治療費として寄付を受け取った男性が、その日の夜に詐欺に遭い、全額を失う事件が発生した。
クアンガイ省トゥーギア郡ニアフオン村在住のグエン・ミン・ヒエウ氏(37)は16日午前、善意の支援者から弟の治療費として2410万ドン(約14万3290円)を受け取った。
ヒエウ氏によると、同日午後8時頃、メッセージアプリ「Zalo」に「ディエム・フイン」というアカウントから不在着信があった。
このアカウントには、ヒエウ氏の支援活動を呼びかけていた小学校教師フイン・ティ・トゥイ・ディエム氏の写真が使用されていた。
ヒエウ氏が折り返し電話をかけると、相手は「スピーカーが故障しているためメッセージで対応する」と説明し、「寄付金を一度グループに戻して協議の上で再度渡す必要がある」として、送金を促すQRコードを送信してきた。
オンライン送金に不慣れだったヒエウ氏は、病院にいた別の患者の家族に手伝ってもらい、QRコードを読み取って送金した。
しかし、その後、本物のディエム氏に確認すると「私はそのような要求をしていない」と言われ、詐欺に遭ったことを悟った。
ヒエウ氏の弟であるグエン・ミン・チー(29)は、6日に交通事故で重傷を負い、ダナン病院で開頭手術を受けた。
現在も意識不明の状態が続いており、医療費はすでに5000万ドン(約29万7200円)を超えている。
ヒエウ氏は「口座にはわずか10万ドン(約595円)しか残っておらず、今後の治療費が捻出できない」と深刻な状況を訴えた。
支援活動を行っていたディエム氏も「これまで多くの困難な家庭を支援してきたが、このような手口の詐欺は初めてである」と驚きを隠せない。
また「なぜ困っている人を騙すのか」と憤りを見せ、警察による徹底した調査を求めている。
ニアフオン村のフイン・フック・ダオ副村長は「ヒエウ兄弟の家庭は非常に困難な状況にある。寄付金は本当に必要な治療費であった。それが一瞬で消えたことに驚きを隠せない」と語った。
また、ディエム氏も「私の名前を騙る詐欺師の存在が、寄付を呼びかける活動自体の信用を損なう恐れがある」と危機感を示し、警察に捜査を依頼する意向を明らかにした。
地元警察は詐欺の詳細を調査するとともに、寄付金を狙った類似の手口に対する警戒を呼びかけている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。