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高水準のベトナム平均寿命、健康寿命とは約10歳の差

<写真:vneconomy.vn>
ベトナムの平均寿命は比較的高いが、健康寿命との間には依然として大きな差がある。世界保健機関(WHO)の最新統計によれば、ベトナムの平均寿命は73.64歳、ホーチミン市では76.24歳に達している。
しかし、健康寿命は65.4歳(男性62.8歳、女性68歳)にとどまり、高齢期の健康上の課題が浮き彫りになっている。
ホーチミン市人口統計局のファム・チャイン・チュン局長によると、健康寿命は生活の質を測る重要な指標であり、疾病や障害による制限を受けることなく健康に生活することが可能な年数を示すものである。
ベトナムでは疾患構造が急速に変化し、感染症中心から非感染性疾患中心へと移行している。高齢者の多くが複数の慢性疾患を抱えており、一人あたり平均2種類以上の病気を生涯にわたって治療する必要がある。このことが高齢者の日常生活や社会参加に影響を及ぼしている。
さらに、高齢者が十分な健康相談や医療サービスを受ける機会が限られている点も課題である。高齢化の進行に対して医療制度の整備が追いついておらず、適切な医療や予防ケアを受ける環境が十分に整っていない。
ベトナムは世界でも特に高齢化の進行が速い国の1つとされている。世界銀行の予測では、ベトナムが「高齢化社会」から「高齢社会」へと移行する期間はわずか15~20年と見込まれており、多くの先進国と比べても極めて短い。
ホーチミン市は2017年に「高齢化社会」に突入した。全国平均より約6年遅れたが、都市部では高齢化のスピードが加速している。同市の60歳以上の人口は88万9178人で、全体の10.28%を占めている。
ベトナムでは高齢化が急速に進む一方で、国民の平均所得は依然として低い。これにより、高齢者福祉を支える経済基盤の強化と社会保障制度の整備が喫緊の課題となっている。
特に地域医療システムの充実が求められている。高齢者が身近な医療機関で健康管理や疾病予防のサービスを受けられる環境を整えることが重要である。また、定期健康診断の実施や電子健康記録の導入を進めることで、疾病の早期発見・治療を促進する必要がある。
ホーチミン市は2030年までに平均寿命を77歳、健康寿命を最低68歳に引き上げる目標を掲げており、今後の高齢者政策の進展が注目される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。