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拡大するハラール市場、ベトナム本格参入に向けた動き

<写真:tienphong.vn>
ベトナムが世界のハラール市場において重要な供給拠点となる可能性が高まりつつある。現在、同国からASEAN域内のイスラム諸国に輸出されているハラール対応品目は約20品目にとどまっているが、豊かな農産物供給力と地理的優位性を活かすことで、今後の本格参入が期待されている。
4月17日に開催された「ベトナムのハラール経済・貿易発展」セミナーでは、同市場の成長性およびベトナム企業の潜在力に関する議論が交わされた。
ハラール食品市場は年平均5.2%の成長率を維持しており、2030年には5兆2000億ドル(約728兆7020億円)、2050年には15兆ドル(約2102兆250億円)に達するとの予測が示された。
イランのアリ・アクバル・ナザリ駐ベトナム大使は、ハラールが宗教的基準を超えたグローバル経済モデルに変貌しつつあることを強調した。その上で、ベトナムの戦略的位置および豊富な農産資源が、同市場への参入において大きな強みとなると指摘した。
さらに、ベトナム社会・環境経済研究所のブイ・バン・フエン所長は、ベトナム産の米、コーヒー、胡椒、熱帯果実などがハラール市場の需要と合致している点を強調した。東南アジアにおける戦略的立地に加え、発展した港湾および海運ネットワークが、中東や欧州への中継拠点としての機能を果たすことも有利に働くと述べた。
一方で、国内企業による輸出品目は依然として限定的であり、専門研究機関の設立、国際展示会への積極的な参加、市場調査の強化といった取り組みが今後の課題とされている。
モロッコのジャマレ・シュアイビ駐ベトナム大使は、同国がハラール認証体制の拡充を進めていることに言及し、ベトナムとの技術協力や認証基準の整合化を推進する方針を明らかにした。また、ハラール観光を含むサービス分野での連携強化にも意欲を示した。
ベトナムが拡大を続けるハラール市場において存在感を高めるためには、多角的な取り組みと国際的な協力が不可欠である。政府と企業が連携し、この成長分野における競争力の強化が求められている。
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