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増加する不良債権、主要銀行の深刻な課題

<写真:baodautu.vn>
2025年第1四半期において、ベトナムの複数の上場銀行は引き続き堅調な業績を報告している。
しかし、その一方で不良債権の増加が深刻な課題として浮上しており、収益拡大の裏側で貸出資産の健全性に対する懸念が強まっている。
VPバンクは前年同期比で純金利収入が18%増の13兆3550億ドン(約734億5250万円)、税引前利益が20%増の5兆140億ドン(約275億7700万円)となった。
一方で、信用リスクへの備えとして引当金を16%増加させており、不良債権の拡大傾向が継続している。
2025年3月末時点における不良債権総額は34兆6100億ドン(約1903億5500万円)に達し、なかでも貸倒懸念先債権は6兆1190億ドン(約336億5450万円)から8兆3830億ドン(約461億650万円)へと大幅に増加した。
不良債権比率も4.2%から4.74%へと上昇している。
一方で、テクコムバンクは税引前利益が7%減少し、7兆2360億ドン(約397億9800万円)にとどまった。
純金利収入は前年同期比で2%減少し、サービスや為替取引による収益も落ち込みをみせた。
不良債権は9%増加して7兆7830億ドン(約428億650万円)となり、不良債権比率は1.23%とわずかに上昇した。
PGBankでは利益が前年同期比で17%減少し960億ドン(約5億2800万円)となる一方、不良債権が16%増の1兆2270億ドン(約67億4850万円)に拡大した。
貸倒懸念先債権も増加しており、不良債権比率は2.7%に達した。
LPバンクでは貸出残高が6.2%増加したことに伴い、不良債権も17%増の6兆870億ドン(約334億7850万円)となった。不良債権比率は1.73%に上昇している。
一方で、SeABankおよびVietABankでは、不良債権の改善が見られた。
SeABankは過去最高の四半期利益を記録しつつ、不良債権総額をわずかに減少させた。
VietABankにおいては、不良債権総額が年初から半減するなど、債務管理体制の強化が成果を挙げている。
今回の報告により、各行が収益の拡大を図る一方で、貸出資産の質に対する対応力が今後の経営課題となっていることが明らかとなった。
銀行経営の持続可能性を確保するためには、収益性と健全性の両立を図るバランスの取れた戦略が求められる。
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