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牛飼育がパイナップル畑、破綻した4.5兆プロジェクトの現在

<写真:laodong.vn>
かつて総投資額4兆5820億ドン(約258億1242万円)を誇ったハティン省の大規模牛飼育プロジェクトが、開始から10年を経ても一頭の牛も飼育されていないという実態が明らかとなった。
現在では計画地の大半がパイナップル畑へと転換されている。
このプロジェクトは2015年4月、ハティン省人民委員会の投資承認を受け、ビンハー畜産株式会社によって推進された。
事業地はカムスエン郡とキアン郡にまたがる2163haに及び、年間25万4200頭の牛の飼育を目標としていた。
しかし、計画は早期に頓挫し、多額の損失を計上した。経営責任者は後に起訴される事態となった。
2021年には再構築計画が立案され、牛の飼育規模を3万5000頭に縮小するとともに、パイナップルやバナナ、トウモロコシといった作物の栽培を新たに導入する方針に転換された。
対象面積も1227ha削減され、総投資額は1兆8000億ドン(約101億3580万円)に見直された。
現在、かつての牛舎は無人となり、屋根のトタンは錆びつき、機器も長らく放置されたままである。
一方で、以前は牧草やバナナが栽培されていた土地にはパイナップルが一面に広がり、地元労働者がその管理に従事している。
同社のヴォー・フィー・ロン社長は、キアン郡の農場において2025年第3四半期から5000頭の牛の再飼育を計画していると明かした。
また、カムスエン郡の農場では豚の飼育も模索中であり、並行してニンビン省のドンザオ食品輸出株式会社と提携し、160haにおよぶパイナップル栽培を推進していると述べた。
国家的プロジェクトとして大きな期待を集めたこの事業は、初期構想から大きく方向転換を強いられ、現在ではパイナップル栽培を軸とした農業事業として再出発を図っている。
かつての「牛の楽園」は、いまや南国の果実が広がる畑へと姿を変えている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。