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日本の米危機、ベトナムとの戦略的連携の可能性

2025年06月10日(本日)07時00分 公開
日本の米危機、ベトナムとの戦略的連携の可能性

<写真:fili.vn>

 

日本におけるコメの価格が急騰し、政府の備蓄量も過去最低水準に落ち込む中、食料安全保障を巡る深刻な危機が浮き彫りとなっている。

 

3月時点での備蓄量は153万トンとなって国内需要を約40万トン下回り、各地のスーパーマーケットでは棚からコメが消える事態が相次いで発生した。

 

この危機の背景には、2023年夏の異常高温によるコメの不作がある。

 

それに加え、インフレの進行によって家庭内消費が増加したほか、飲食業や観光業の回復、さらに外国人居住者の急増が需要を押し上げた。

 

加えて、2024年8月に発令された南海トラフ地震への警戒情報が、国民による買い溜め行動に拍車をかけた。

 

農業政策の構造的課題も、この危機を一層深刻なものとしている。

 

政府は長年にわたり、コメの価格維持を目的として水田の面積縮小を推進してきた。

 

また、農協を中心とした流通システムは柔軟性に欠け、需要急増時に迅速な供給対応が困難となっている。

 

政府は2025年2月に21万トンの備蓄米を放出する方針を打ち出した。

 

しかし、4月末の時点で市場に流通したのはその1割に過ぎず、主な原因としては精米処理能力の不足が挙げられている。

 

このような状況の中、世界第5位のコメ生産国であるベトナムが、日本にとっての新たな供給国として注目されている。

 

ベトナムは日本人の嗜好に合致するジャポニカ種の栽培能力を有しており、有力な輸入先候補と位置づけられている。

 

ただし、日本の農薬残留基準や品質管理基準は世界的にも極めて厳格であり、ベトナム側には専門的な栽培体制と品質管理体制の整備が求められる。

 

2025年6月8日には、ベトナムが初めて低炭素排出型のコメ500トンを日本へ輸出したことが明らかとなった。

 

トン当たり820ドル(約11万8800円)という高値での取引は、環境に配慮した農業が市場に受け入れられつつある現状を反映している。

 

ベトナム食品協会(VFA)は、このような持続可能な農業への対応型製品について、今後他国への展開も視野に入れている。

 

今回の米危機は、日本の食料政策の転換を促す契機となり得ると同時に、ベトナムとの農業分野における戦略的連携の可能性を示唆している。

 

今後、安定供給体制の確立と持続可能な農業への移行に向けた国際協力が、より一層重要性を増す可能性が高い。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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