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ベトナム米製品や魚醤、強まる日本市場での存在感

<写真:thuonghieuvaphapluat.vn>
ベトナム農産物が日本市場において徐々に存在感を高めており、中でも加工食品としての米製品や伝統的な調味料である魚醤(ヌクマム)が日本の消費者に受け入れられつつある。
日本では近年、物価の上昇に伴い国産米の価格が高騰しており、5kgあたり4000円を超えるケースも見られる。
そのような背景の中、ベトナム産のフォーやビーフン、インスタント麺などが価格面と利便性から注目を集めている。
一方で、ベトナム産米を日本に直接輸出することには依然として高い障壁が存在する。
日本はWTOの枠組みのもと、年間約77万トンの無税輸入枠を設けているが、その多くは加工用や飼料用に限定されており、一般消費者向けに流通する米はごくわずかである。
加えて、輸入枠外の商品には1kgあたり341円もの高関税が課されるため、価格競争力を持つことが難しく、これまでベトナム米の進出は限定的であった。
このような状況を受けて、ベトナム商務部は近年、香り米ST25や日本米に近い食味を持つジャポニカ種などの紹介に注力しており、日本の小売企業との商談も積極的に行っている。
また「稲・エビ共生モデル」と呼ばれるエコ農法が、日本の「稲・アヒル共生農法」と類似していることもあり、有機米としての関心も高まりを見せている。
魚醤に関しては、日本全国に展開する外食チェーンと連携し、50店舗以上のメニューに導入する試みが進行中である。
異文化の調味料を日本料理に取り入れることは簡単ではないが、魚醤の文化的背景や品質の高さが評価され、一定の成果を挙げている。
果物の輸出においては、ライチ、マンゴー、ドラゴンフルーツなどが人気を博しているが、収穫期間が短く供給が不安定である点が課題とされる。
そのため、ベトナム政府は乾燥果実やジュースといった加工食品の開発を推進しており、年間を通じた安定供給を目指している。
さらに、日本市場ではパッケージの質や表示内容も重要視される傾向にあり、季節や行事に応じたデザインの変更も求められるため、より高度なマーケティング戦略が必要とされている。
2023年に東京で開催された「ベトナム・フォーフェスティバル」は、こうした取り組みの一環として位置づけられ、ベトナム料理の魅力を日本の消費者に広く伝える契機となった。
同イベントを通じて初めてフォーを味わった日本人が増加し、関連商品の購買行動にもつながっている。
今後は文化交流と品質向上の両輪によって、ベトナム産食品が日本市場により深く定着していくことが期待される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。