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AIによるベトナム経済への貢献、最大1300億ドルの見込み

<写真:vietnam.vn>
国家イノベーションセンター(NIC)、国際協力機構(JICA)、米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)により、AI(人工知能)の導入が今後のベトナム経済において重要な成長要因となる可能性が示された。
3者が共同で作成した報告書によれば、AIは2040年までにベトナム経済に対して1200億〜1300億ドル(約17兆2240億〜18兆6810億円)規模の貢献をもたらす見通しである。
これは生産性の向上とコスト削減を通じたものであり、消費需要と業務効率化の両面で経済成長を牽引するとされる。
報告によれば、AIが世界経済に与える影響は2030年までに5兆ドル(約718兆5000億円)に達すると見込まれ、ベトナムもこの世界的な流れに乗るかたちでAI活用を本格化させつつある。
BCGは、AIによるベトナム経済への影響の内訳について、450億〜550億ドル(約6兆4665億~7兆9035億円)はAI技術を活用した商品・サービスに対する需要によるものであり、600億〜750億ドル(約8兆6220億~10兆7775億円)は業務の自動化や予測分析の導入による生産性向上に起因すると分析している。
NICは「ベトナムはAI分野で確固たる地位を築く」と述べ、報告書の狙いについて、ベトナムにおけるAIの現状を可視化し、国際的な成功事例と経済応用の可能性を提示することにあると強調した。
JICAベトナム事務所も、政策立案者や企業、教育機関、投資家にとって同報告書が今後の指針となるとし、その意義を認めた。
一方で、報告書はベトナム政府によるAI導入が依然として初期段階にあることも指摘する。
多くのプロジェクトが試験的な段階にとどまり、全国規模での展開には、財政面での持続可能なモデルの確立、分野を超えた協力体制の構築、AI技術への理解とアクセスの向上といった課題の克服が求められている。
国内ではAI人材の育成も進み、2026年までにIT関連人材は53万人に達する見通しである。すでに国内の10大学が年間1700人規模でAI専門課程を設けており、人材供給の強化が図られている。
報告書はまた、AIの活用を通じて経済成長を実現するためには、第一に公共・民間分野における実用的なAI導入、第二にスタートアップ支援の加速、第三に人材育成と研究開発体制の整備が不可欠であると提言している。
加えて、AIリテラシーの普及、分野別に整備されたオープンデータ基盤の構築、安全性とガバナンスの枠組みの整備といった補完的な取り組みの必要性も挙げている。
今後、NICとJICAはAIスタートアップ支援プログラムを共同で推進し、起業初期段階の支援から投資誘致、人材育成まで一貫した支援体制を構築する方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。