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カジノ規制は禁止か法制化か、管理強化による経済効果への期待

<写真:giaoduc.net.vn>
ベトナムにおいては現在、国内カジノの利用は極めて厳しく制限されており、事実上、外国人のみが利用可能な状況となっている。
しかしながら、オンラインギャンブルの拡大や隣国との国境を越えた賭博行為の頻発により、全面的な禁止措置が実効的な抑止力となっていない実情が浮き彫りとなっている。
2024年初頭、カンボジア・バヴェットにあるカジノで、ベトナム人が多額の現金を持ち込み、殺到する様子がSNS上で拡散された。
この出来事は国内での賭博が禁止されているにもかかわらず、依然として高い賭博需要が存在していることを象徴している。
政府は2017年からキエンザン省フーコック島に位置する「コロナカジノ」など一部の施設において、一定の条件下でベトナム人の入場を認める試験的な制度を導入した。
しかしながら、導入から7年が経過した現在においても、本格的な制度化やカジノ専用法の整備には至っておらず、依然として規制の空白が存在している。
一方で、オンラインを介した違法賭博は拡大の一途をたどっており、公安省によれば2023年には関連する摘発件数が2000件を超え、数千億ドン規模の資金が不正に流通したとされている。
現行の禁止政策は、こうした闇市場の拡大を抑止する手段としては不十分であるとの指摘がある。
カジノの合法化が進めば、税収の増加や雇用の創出といった経済的な波及効果が期待される。
実際、フーコックのカジノは2019年以降、国家予算に対して1兆7000億ドン(約94億5200万円)以上を納入しており、地域経済や雇用にも一定の貢献を果たしている。
国際的な潮流に目を向ければ、完全な禁止ではなく、厳格な監視と制度設計による管理型の運用が主流である。
たとえばシンガポールでは2010年以降、入場料制度の導入やAIを活用した監視体制の構築を通じて、カジノを経済成長の柱の1つとしている。
米国やオーストラリアにおいても、カジノは観光・エンターテインメント産業の一環として制度的に整備されている。
こうした動向を踏まえ、ベトナムにおいてもギャンブル産業を「禁止」から「管理」へと移行させるべきとの提言が高まっているという。
具体的にはカジノ専用法の制定、所得水準や行動履歴に基づく入場管理の導入、さらには収益および社会的影響に関する透明性の確保が求められる。
違法賭博と合法的なカジノ産業を明確に区分し、責任ある運営を通じて育成していく姿勢が重要である。
単なる禁止措置ではなく、包括的な制度設計と高度な監視体制をもって、ギャンブル市場を国家戦略の一端として活用すべき段階に差し掛かっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。