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ベトナムの平均寿命が大幅延伸、健康寿命との乖離が課題

2025年08月25日(月)07時00分 公開
ベトナムの平均寿命が大幅延伸、健康寿命との乖離が課題

<写真:baochinhphu.vn>

 

ベトナムの平均寿命が過去60年で約30年延び、2024年には74.7歳に達しており、これは世界平均を2年以上上回る水準である。

 

しかし、健康的に日常生活を送ることが可能な「健康寿命」は依然として短く、多くの高齢者が複数の疾患を抱えて生活している。

 

1960年代におけるベトナムの平均寿命は約45歳にとどまっていたが、戦争終結後、医療技術の進歩や生活環境の改善により、急速に延伸した。

 

また、粗死亡率も1960〜1965年の21%から2024年には5.6%まで大きく低下している。

 

地域による格差も顕著であり、ホーチミン市やハノイ市など都市部では平均寿命が76歳を超える一方で、山岳地域に位置するライチャウ省やコンツム省では依然として低い水準にとどまっている。

 

また、男女間にも差があり、2024年の平均寿命は女性が77.3歳、男性が72.3歳と、女性の方が約5年長寿である。

 

一方、平均寿命の延びに対し、健康寿命の改善は十分とは言えない。

 

2019年時点における60歳男性の健康寿命は12.9年、女性は16.4年にとどまり、いずれも世界平均を下回っている。

 

高齢者の多くは高血圧、関節炎、消化器疾患などの慢性疾患を抱えており、アルコールやたばこの摂取といった不健康な生活習慣もその一因とされている。

 

非感染性疾患の増加、環境汚染、栄養状態の不均衡といった複合的要因が背景にあり、今後は急速な高齢化が見込まれている。

 

ベトナム統計総局の予測によれば、高齢者人口は2030年に1720万人、2049年には2700万人に達するとされ、2038年には国民の5人に1人が60歳以上となる見通しである。

 

加えて、高齢者の単身世帯も増加傾向にあり、2009年には18%だった高齢者の単身または夫婦のみの世帯が、2019年には27%に上昇している。

 

これは伝統的な家族構成が変化していることを示しており、今後は家族による高齢者ケアの担い手が不足する懸念がある。

 

このような状況を受け、保健省は老年医学を専門とする医療人材の育成を目的に、奨学金制度や学費補助の導入を検討している。

 

また、医療保険に未加入の高齢者に対しては、国家予算を活用した保険料支援の実施も提案されている。

 

ベトナムは今後、長寿社会における健康課題に対応するため、医療・福祉制度の整備と人材の育成を急務として捉える必要がある。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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