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世界に広がるベトナム料理、ニューヨークで存在感高まる

<写真:nongthonviet.com.vn>
ベトナム料理の存在感がニューヨーク市で急速に高まっている。2015年以降、現地在住のベトナム系住民の増加に伴い、地方色豊かな料理を提供する新興店が相次いで開業し、伝統と創造性を融合させた業態が注目を集めている。
マンハッタン・チャイナタウン近郊にある「MẮM」は、プラスチック椅子を使った路上の飲食空間や、本場の調味料を用いたブン・ダウ・マム・トムなどで話題となっている。
2023年の店舗開業以降、地元メディアから高い評価を受けており、運営者であるジェラルド・ヘッド氏と、ベトナム出身の妻ニャング・ダオ氏は、2024年にはワインバー「Lai Rai」を開店し、年内にはカフェの開業も予定しているという。
2024年末に開店した「Ha’s Đặc Biệt」は、ベトナム中部・北部の家庭料理を現代風に再解釈した料理が高い人気を集めており、予約困難な状態が続いている。
オーナー夫妻は予想外の注目の高まりを受け、地元メディアに対し報道の自粛を求める場面も見られた。
一方、「Bánh Anh Em」では、フォー・ナムディン、バインクオン・ハノイ、バインミー・ハイフォンといった地域性を前面に押し出したメニューが評判を呼び、最大2時間待ちの行列ができる日もある。
経営者のニュー・トン氏は「本場の味を伝えることが目的」と語り、食材の調達やレシピ収集のためにバイクでベトナムを縦断した経験を持つ。
これらの店舗の多くは、当初ポップアップ形式での営業からスタートしており、柔軟な運営形態とSNSを駆使したマーケティングを特徴としている。
移動型宴会を展開する「Ăn Cỗ」や、産後食に特化した「Bé Bếp」など、テーマ性を明確にした小規模事業も広がりを見せている。
2022年に立ち上げられた「Xin Mời」は、「ニューヨークでは見つからない家庭料理」を提供することを目的とし、欧米や東南アジア各地への展開も進めているという。
創業者のトリシャ・ドー氏は「創作とビジネスの両立は、移民2世以降だからこそ可能である」と述べている。
かつてフォーやバインミーに限られていたベトナム料理のイメージは、いまや多様な郷土料理と洗練された体験型店舗によって刷新されつつある。
ニューヨークという国際都市において、若手ベトナム系移民たちの新たな挑戦が始まっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。