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愛人との同居を拒まれた夫、妻に農薬混入で懲役10年の判決

<写真:danviet.vn>
9月30日、ハノイ市のハノイ地方裁判所は、妻に対して農薬を混入して中毒症状を引き起こさせたとして、ゴー・ヴァン・ヴィン被告(65)に対し、殺人罪で懲役10年の実刑判決を言い渡した。
本件は死刑相当の情状が認定されない範囲での有罪判決である。
起訴状などによれば、ヴィン被告は1980年に結婚し、妻との間に4人の子をもうけた。
長年にわたり賭博癖と借金を繰り返しており、子が約300万ドン(約1万8000円)の借金を肩代わりすることもあった。
このような事情から、家族は居住する土地および建物を子名義とすることで合意していた。
2023年末頃より、ヴィン被告は17歳年下の女性と恋愛関係に入り、夫婦は別居状態となった。
ヴィン被告はこの女性との同居を要望したが拒まれたため、妻に対する殺意を抱くようになったとされる。
2025年4月12日、恋人宅から帰宅したヴィン被告は、寝室に置かれていた妻の飲用用牛乳パック3本を見て、毒殺を計画したという。
農薬の小瓶と注射器のような器具を購入し、外出中の隙を突いて、それぞれの牛乳パックに農薬を注入した。
事件発生の3日後、妻が牛乳を口にした際に異臭に気づいて吐き出し、その直後から嘔気、腹痛、めまい、手足の震えなどの中毒症状を呈した。
未開封の他のパックには注入によると見られる小さな刺し跡が確認された。
妻は医療機関での応急処置により回復し、家族会議の末、警察に通報した。
ヴィン被告は当初容疑を否認し、農薬および注射器を廃棄して証拠を隠滅したとされる。
鑑定によると、使用された農薬にはアルファシペルメトリンが含まれており、大量摂取した場合には中枢神経に深刻な影響を及ぼし、呼吸や心臓の停止に至る危険性があるとされた。
公判においてヴィン被告は犯行を認めたが、「卑劣な動機ではない」と主張した。
しかし、裁判長は不倫関係を背景に配偶者を毒物で害そうとした点を重大な問題とし、情状を限定したうえで有罪を認定した。
なお、被害者である妻は、損害賠償を請求せず、40年にわたる婚姻関係を理由としてヴィン被告に対する情状酌量を求める書面を提出していた。
加えて、ヴィン被告とその交際相手の女性は、一夫一婦制違反により行政処分を受けており、刑事罰には至らなかったものの、金銭による行政罰が科されている。
本判決は家庭内暴力および配偶者に対する生命侵害行為の重大な社会的危険性を厳しく問う姿勢を示したものである。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。