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ベトナムの賃上げ率、過去10年で最低水準

<写真:kinhtedothi.vn>
人事コンサルティング企業タレントネットおよびマーサーが実施した調査によれば、2025年におけるベトナム企業の平均賃上げ率は、外資系企業で6.3%、国内企業で6.2%にとどまり、過去10年間で最低の水準となった。
本調査は、計678社を対象に福利厚生制度の実態を分析したものであり、そのうち600社以上が多国籍企業であった。
外資系企業においては、2年連続で賃上げ率6.3%を維持しているが、これはコロナ禍前の水準を下回っている。
2026年も同様の水準が見込まれており、世界的に人件費を抑制する傾向が強まっていることが背景にある。
一方で、賃上げを凍結する企業の割合は前年の半数に減少しており、最低限の賃上げを実施することで人材確保を図る動きが見られる。
国内企業においても賃上げ率の鈍化が続いており、コロナ禍前には年間8.4〜8.8%であった水準が、2025年には6.2%にまで低下した。
これにより、4年連続の賃上げ率低下となっている。
業種別に見ると、保険業界が5.5%、運輸・物流が5.2%、銀行が4.7%と、賃上げ率の低さが際立っている。
これらの業界では再編や自動化の導入が進み、それが賃上げ抑制の要因となっている。
一方、化学、サプライチェーン、製薬といった業界では6.7〜6.8%の賃上げ率を維持しており、高度人材の確保を重視する姿勢が明確である。
また、企業は職位や職種に応じて柔軟な給与戦略を採用しており、管理職の新規採用においては平均より7%高い報酬を提示している。
一方、一般社員や作業員の新規採用においては、既存人員に比べてそれぞれ3%、14%低い水準となっている。
人員計画に関しても慎重な姿勢がうかがえ、約48%の企業が現行の人員規模を維持すると回答した。
人員削減を予定する企業は7%、採用を拡大する企業は35%にとどまり、前年の41%から減少している。
さらに、労働者側にも慎重な姿勢が見られ、2025年前半の自発的離職率は、外資系企業で6.5%、国内企業で9.6%と、前年とほぼ同水準にとどまった。
経済の不透明感が続く中で、安定した雇用を重視する傾向が強まっていると考えられる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。