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禁止されたはずの電子タバコ、若年層の使用が拡大傾向
<写真:trungtamytebinhtan.medinet.gov.vn>
ベトナム政府は2025年1月より、電子タバコおよび加熱式タバコの製造・流通・使用を全面的に禁止した。
しかしながら、現時点においても若年層を中心に電子タバコの使用は拡大傾向にあり、健康被害の深刻化が懸念されている。
ハノイ市に位置するバクマイ病院中毒対策センターは、電子タバコの使用により意識障害や痙攣を引き起こした15歳の少年を受け入れた。
検査の結果、この少年が使用したリキッドには、強い中毒性と精神作用を持つ合成薬物「5F-ADB」が含まれていた。
少年は脳障害、軽度の腎不全、精神錯乱といった深刻な症状を呈し、うつ状態や妄想にも苦しめられている。
同センターのグエン・チュン・グエン所長は「電子タバコに麻薬成分を混入させるケースが急増しており、使用者がその危険性を把握できていない事例が多い」と警鐘を鳴らす。
さらに、13歳の中学生が2年以上にわたって電子タバコを使用していた事例も報告されており、早期から依存症に陥るリスクが指摘されている。
電子タバコや加熱式タバコに含まれるニコチンは、高い依存性と毒性を有し、脳神経系、心臓、さらには精神面にも悪影響を及ぼすとされている。
米国疾病対策センター(CDC)も、20歳未満のニコチン摂取が脳の発達に深刻な影響を与える可能性があると警告している。
このような状況を受け、ベトナム教育省および保健省は、学校における予防教育を強化する体制を構築するとともに、違反者への処罰を厳格化する方針を示している。
保健省が提出した新政令案では、電子タバコを所持・使用・販売した者に対し、最大1000万ドン(約6万円)の罰金および製品の没収、さらに所属組織や学校への通報が盛り込まれている。
また、飲食店や商業施設での取り締まりも強化される見通しである。
一方で、インターネット上では依然として電子タバコの違法販売が活発に行われている。
SNSや通販アプリにおいて「vape」「pod」などのキーワードで検索すると、数多くの販売アカウントが確認できる。
これらの販売者は、Zaloやメッセンジャーを介して個別に対応し、即日配送を実施している。
事実上の違法行為が日常的に行われているにもかかわらず、現行の規制ではその実効性が問われている。
政府は今後、警察、税関、市場管理当局といった複数の機関に処罰権限を与えるとともに、一般市民からの通報を活用した摘発体制の構築を進める方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。