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中国不動産バブルと類似、ベトナムの高級不動産市場

2025年12月10日(水)07時00分 公開
中国不動産バブルと類似、ベトナムの高級不動産市場

<写真:kevesko.vn>

 

不動産サービス大手CBREは、ベトナムにおける高級および超高級住宅市場において、価格の急騰と投機的取引の増加がバブル形成につながる可能性があるとして警鐘を鳴らしている。

 

CBREベトナム住宅市場部門ディレクターであるヴォー・フイン・トゥアン・キエット氏によれば、ホーチミン市およびハノイ市における一次販売価格は、過去1年間で35〜45%も上昇した。

 

特に2025年第3四半期には、ホーチミン市の分譲マンション価格が15〜18%上昇し、1㎡あたり約9000万ドン(約53万1000円)に達している。

 

新規供給物件の約70%が高級または超高級に分類されており、その価格は都市部の平均所得を大きく上回っている。

 

ナイトフランク・ベトナムのデータによれば、同市の平均価格はすでに1㎡あたり9600万ドン(約56万6400円)に達し、販売されている物件の約6割が1億ドン(約59万円)を超える価格帯に集中している。

 

このような市場構造は、供給の大部分が高価格帯に偏重し、中間層向け住宅の供給不足を引き起こしていることを示している。

 

キエット氏は、現在のベトナムの市場環境が、かつての中国不動産バブルと類似している点に懸念を示した。

 

実需とはかけ離れた過剰な価格上昇や、短期的な利益を狙った投機資金の流入が、市場の不安定化を招くリスクがあるとし、これは過去に中国で市場崩壊を引き起こした要因と同様であると述べている。

 

一方で、CBREベトナムのCEOであるズオン・トゥイ・ズン氏は、全体市場としてのバブルリスクは現時点では限定的であるとの見解を示している。

 

ベトナムでは長期にわたって住宅供給が不足しており、特にホーチミン市では過去3年間における年間住宅供給戸数が2万戸未満にとどまっており、従来の3〜4万戸という水準から大きく減少している。

 

インフラ整備の遅れや法的手続きの煩雑さ、中心部における開発用地の枯渇が供給不足の主な要因となっている。

 

それでもなお、ズン氏は「価格上昇とバブル形成の境界線は非常に脆弱である」と警告している。

 

価格が実需から乖離したまま上昇を続ければ、投資家心理の冷却や市場の流動性低下につながり、結果として市場の停滞を引き起こす恐れがあると述べている。

 

不動産アナリストのレー・クォック・キエン氏も同様に、ベトナムの不動産市場には都市化や人口増加、産業移転といった長期的な成長要因がある一方で、高価格帯物件においては「流動性の壁」が生じる可能性があると警告する。

 

市場は常に循環しており、価格が永続的に上昇し続けることはなく、実需に基づく冷静な投資判断が必要であると強調している。

 

こうした状況を受け、政府は市場の過熱を抑えるために多面的な政策対応を進めている。

 

具体的には、資産課税の強化、投機抑制策の導入、法制度の整備と手続きの簡素化、さらには社会住宅や中価格帯住宅の供給強化などが挙げられる。

 

これらの施策は、市場の「圧力調整弁」として機能し、不動産市場の健全な発展を支えることが期待されている。

 

専門家らは、不動産投資においては短期的な価格上昇に依存するのではなく、法的リスクの少ない物件や、インフラが整備された地域、安定した賃貸収入が見込める物件を選定するなど、長期的な視点に基づく投資戦略の重要性を改めて提言している。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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