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ベトナムの対日水産物輸出、過去最高水準に接近
<写真:baomoi.com>
ベトナムの対日水産物輸出は、近年にない回復基調を示している。ベトナム税関総局の統計によれば、2025年1月から11月までの輸出額は15億9000万ドル(約2491億5000万円)に達し、前年同期比で11%増加した。
単月では11月に前年同期比9%増の1億6100万ドル(約252億3000万円)を記録し、年間では過去最高である2022年の17億ドル(約2664億円)超えも視野に入っている。
この好調の要因として、輸出品目の構成変化が挙げられる。
中核となるエビの輸出は、数量・金額ともに増加し、日本市場における高い技術基準への安定した需要に応える形となった。
イカやタコの輸出も堅調であり、これまで存在感が薄かったナマズ類の輸出額は約70%増と大幅な伸びを見せた。
さらに、日本市場の輸入価格は、米国や中国と比べて価格変動が小さく、インフレや物流の混乱、政策変更などの外部要因の影響が相対的に少ない。
この価格安定性により、ベトナム企業は中長期的な生産計画を立てやすく、品質や加工技術への継続的な投資が可能となっている。
現在、日本はベトナムにとって米国、EUと並ぶ主要な水産物輸出市場の1つであり、全体の約15%を占める。
一方、日本市場におけるベトナム産水産物のシェアは7.4%で、同国の供給元としては3位に位置する。
タイ、インドネシア、中国といった競合国との競争が激しさを増す中、市場シェアの維持と拡大は注目に値する。
また、政府間で締結されたCPTPPおよび日越経済連携協定(VJEPA)は、税制および通関手続きの面でベトナム企業に有利に働いており、日本のサプライチェーンに対する同国の関与を一層深めている。
しかしながら、ベトナムの水産物輸出業者にとって、日本側が求める食品安全、環境基準、原産地証明などの厳格な規制に対応することは依然として大きな課題である。
日本の消費者が持続可能性や透明性を重視する傾向を強めている中、これらの基準を確実に満たすことが、日本市場における地位強化の前提条件となる。
なお、対日輸出にとどまらず、ベトナムの水産物輸出全体も回復の兆しを見せている。
ベトナム水産加工輸出協会(VASEP)によると、2025年1月から11月までの輸出額は104億5000万ドル(約1兆6375億円)で、前年同期比14.6%増となった。
年末には112〜113億ドル(約1兆7550億〜1兆7707億円)に達する見通しであり、今後の成長が期待される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。