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不衛生な食事等に注意、脳内に寄生虫で緊急入院
<写真:viettimes.vn>
ベトナムの感染症専門医療機関である中央熱帯病病院は、犬条虫(瓜実条虫)の幼虫が脳内に寄生した症例を内科的治療によって改善させたと発表した。
患者はハノイ市在住の39歳男性で、当初は脳腫瘍が疑われる症状を呈していた。
同院の発表によると、男性は自宅で突然左手のしびれを自覚し、続いて全身のけいれんを起こした。
初診した医療機関では脳腫瘍の可能性が指摘され、精密検査を目的として中央熱帯病病院に紹介された。
入院時の意識は清明で、発熱や明らかな局所神経障害は認められなかったが、強い頭痛と軽度の左手感覚異常が残存していた。
磁気共鳴画像(MRI)検査では、左前頭葉に直径約11×7ミリの嚢胞性病変が確認され、周囲には軽度の脳浮腫を伴っていた。
画像所見から原発性脳腫瘍よりも寄生虫性病変の可能性が高いと判断され、追加の血清検査を実施した結果、犬条虫に対する抗体が陽性となり、脳内寄生虫症と診断が確定した。
治療方針として外科手術は行わず、内服薬を中心とした標準的な内科治療が選択された。
約10日間の入院治療後、左手のしびれ、けいれん、頭痛はいずれも消失し、全身状態は安定した。
退院後も4週間にわたり外来治療を継続し、1カ月後の再検査では病変の縮小および脳浮腫の改善が確認された。
診療にあたったグエン・バン・フオン副院長は、脳内寄生虫症は決してまれな疾患ではなく、初期症状が非典型的であるため、脳腫瘍や脳卒中と誤認されやすい点を指摘している。
感染経路は犬や猫との直接接触に限られず、衛生管理が不十分な生野菜や加熱不十分な食品、汚染水の摂取などが主因となる場合が多いという。
同院は、たとえ軽微であっても神経症状が出現した場合には、専門医療機関で画像診断や血清検査を受けることの重要性を強調している。
適切な診断と治療により良好な回復が期待でき、不必要な外科的介入を回避できるとした。
日常生活においては、十分な加熱調理の徹底や手洗いの励行といった基本的な衛生管理が、有効な予防策であると結論づけている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。