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ベトナムの人口ボーナス期、2036年に終了・高齢化社会への備え急務
<写真:vneconomy.vn>
ベトナム統計総局が発表した「2024~2074年ベトナム人口予測報告書」によれば、同国は2036年に人口ボーナス期を終え、本格的な高齢化社会に突入する見通しである。
これは従来の予測よりも3年早い時期となる。
人口ボーナス期とは、生産年齢人口(15歳から64歳)が総人口に占める割合が高い時期を指し、ベトナムでは2007年にこの段階に入った。
現在も生産年齢人口は全体の約67%を占めているが、2036年には65歳以上の高齢者が総人口の15%に達し、この構造は終焉を迎える。
以後は急速な高齢化が進行し、2074年には子ども100人に対し高齢者が約225人という人口構成になると予測されている。
元国家経済大学人口・社会問題研究所所長のグエン・ディン・クー教授は、人口ボーナス期を「一国の歴史において一度しか訪れない貴重な機会」と評し、残された約15年間がベトナムの経済発展において極めて重要な意味を持つと強調した。
一方で、ベトナムは「豊かになる前に高齢化する」リスクに直面している。
専門家らは、インフラの整備、労働市場の改革、医療制度の再構築が不可欠であると指摘し、早急な対応を求めている。
これを受けて、国会は新たな「人口法」を可決した。政策の軸足は、従来の出生抑制から出生奨励および高齢化対策へと大きく転換された。
新法のもとでは、出産数や出産時期の決定を夫婦の判断に委ねることを基本としつつ、出生率の低い地域においては、35歳までに2人の子を出産した女性に対して経済的支援や公営住宅の優先供給が実施される。
また、高齢者ケアを担う人材の育成にも注力しており、老年医学を専攻する学生への学費免除や奨学金支給、関連分野で働く医療従事者に対する優遇措置も導入される。
ベトナムは、限られた人口ボーナス期を最大限に活用するとともに、迫り来る高齢化社会に向けた準備を加速させる必要がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。