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巧妙化するオンライン詐欺、被害額は5年で約40兆ドン
<写真:cafef.vn>
ベトナム公安省は2020年以降の5年間で、全国において2万4000件超のオンライン詐欺事件が発生し、被害総額が約40兆ドン(約2400億円)に達したと発表した。
詐欺の手口は年々巧妙化し、被害者の心理を巧みに突く形で進化を遂げている。
この実態は、29日にハノイ市の人民警察アカデミーで開催されたサイバー詐欺防止に関する科学シンポジウムの中で明らかにされた。
公安省刑事警察局のグエン・タイン・ハー副局長によれば、詐欺グループはAI技術や偽アカウントを駆使し、警察官や検察官を装って被害者に偽の事件関与を告げ、金銭の支払いを求める手法を用いている。
さらには、実際の警察署に酷似したセットを作り、制服や国章を用いて信頼感を演出し、映像通話を通じて心理的な圧力をかけるといった手口も確認されている。
その他にも、在宅ワークや高収入求人を装うもの、投資話を利用した詐欺、恋愛感情を悪用する手法、ディープフェイクと呼ばれるAI生成の偽動画を活用した詐欺、電子商取引や偽アプリを使った犯行、さらには慈善活動を装うケースに至るまで、その手口は多岐にわたっている。
被害が拡大している要因としては、法制度の不備を突いた国外拠点の設置や、ベトナム国内における個人情報管理の脆弱性が挙げられる。
特に、不正なSIMカードの流通、銀行口座やSNSアカウントの管理体制に重大な課題が残っている状況である。
国家銀行のファム・ザ・バオ副局長は、不審なリンクやアプリへのアクセスを避け、見知らぬ相手との連絡を控えるように国民へ注意を呼びかけた。
また、金融および通信分野における法整備の強化、並びに先端技術を活用した監視体制の構築の必要性を訴えている。
一方、情報通信省は、国内すべての携帯通信事業者と連携し、住民基本台帳との照合を実施した。
その結果、1億2500万件の加入者情報のうち、1700万件において不一致が確認され、これを修正するなど、正規SIMの利用徹底に向けた取り組みを進めている。
ただし、SIMカードの貸与や名義貸しといった不正利用は依然として根絶されていない。
公安当局は今後、国内外との連携を一層強化し、サイバー詐欺の撲滅に向けた対策を引き続き進める方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。