日本で労働環境に不満を持つベトナム人研修生の退職増加

2018年08月10日(金)00時00分 公開
日本で労働環境に不満を持つベトナム人研修生の退職増加
 

日本の技能実習プログラムに参加する外国人が増えている。そのうちベトナム人参加者が最も多く、続いて中国人、インドネシア人、タイ人が多く参加している。

 

日経アジアンレビューの報告書によると、昨年、日本の技能実習プログラムに参加した外国人研修生のうち7000人以上が途中退職したという。途中退職の背景には長時間労働や賃金未払いなどの厳しい労働環境があげられている。

 
日本国内の外国人研修生のほとんどは日本国際協力機構(JITCO)が設立した日本の技能実習プログラムへの参加者だ。このプログラムは発展途上国出身の外国人に技能を習得させることを目的としたもので、日本の労働力不足問題の解消に繋がる大きなプロジェクトでもある。
 
 
このプログラムは本来外国人研修生の成長を促すためのものであったが、実際は研修生の労働環境までは保証されていない。2016年以降、外国人研修生のうち4割は途中で退職に踏み切っているという。2017年の厚生労働省による調査によると、5966人中4226人が賃金未払いや不当残業を強いられていると回答した。今年3月には、ある24歳のベトナム人研修生は雇用主に福島県内の放射濃度が高い地域での労働を強制されたという。
 
 
一方、このような研修生が過酷な労働環境に置かれる状況を改善しようという動きも見られている。岡部文吾さん(36)は悩みを抱える研修生に向けて相談所を作り、人間関係におけるネットワーク作りのサポートも行なっているという。
 
 
岡部さんはPham Nhat Vuongというベトナム名も持っている。岡部さんは元々飲食店を経営していたが、お店を閉店させたという。その後、福島県内の自宅から新しい自宅兼相談所に引っ越し、研修生の支援事業に専念しているそうだ。現在、長時間労働や賃金未払い、同僚から暴力被害を受け、帰国を迫られそうになったことが原因で退職した元研修生数十人が相談所を利用している
 
 
また、岡部さんは研修生が無料で法律相談を受けられるようにするため、日本とベトナムの政府機関と共同で労働組合を立ち上げた。これにより、研修生が好待遇の仕事を探せるようになることや人権が保護されることが期待されている。しかし、日本国内における研修生雇用に関する制度は依然として整備されておらず、研修生への不当労働行為を強いる風潮はなくなっていないのが事実だ。
 
 
 
 
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