ベトナムの生活で注意しておきたい「破傷風」とはどんな病気?
みなさんはベトナムに渡航する前に各種ワクチンの接種は行いましたか?
海外では日本よりも衛生環境や医療環境が悪いことも多く、渡航前に接種を推奨されるワクチンがいくつかあります。
ベトナムでは破傷風、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病、インフルエンザなどの病気が接種を推奨されるワクチンですが、みなさんはどれがどのような病気だか全て知っていますか?
インフルエンザや狂犬病は比較的有名ですが、他のものはワクチンの普及によって患者が減っていて知らない人も多いのではないでしょうか。
今回はその中でも破傷風についてお伝えします。
破傷風とは?
破傷風の正体
破傷風は土壌に広く生息・存在している破傷風菌によって引き起こされる感染症です。
この破傷風菌は動物の帳や糞の中にも存在しており、体内に入ってしまうと強力な毒素を生産し、様々な神経を侵して命に関わる症状を引き起こします。
破傷風の症状や感染したらどうなるのか
破傷風は破傷風菌が傷などから体内に侵入すると、数日間の内に体内で増殖して毒素を出します。
毒素によって顔などの小さな筋肉が動かしにくくなり、その後、全身のけいれんや筋肉の収縮が起こります。
背中が弓形になるほど筋肉が収縮することもありなかなか治療する方も壮絶な病気です。
破傷風を題材とした小説や映画に『震える舌』というものがありますので興味がある方はご覧になってください。
破傷風は症状も派手ですが致死率も高く、年齢にもよりますが大体50%程度が感染後に死亡してしまいます。怖い病気ですが人から人へと感染することはありません。
破傷風の治療
破傷風の発病
破傷風は症状が現れてからの病状の悪化速度が早く、傷を受けてから3〜21日後に以下の症状が見られる場合には直ぐに医療機関を受診して治療を行ってください。
- 口が開きにくい、舌がもつれる
- 食べ物をよくこぼし、飲み込みにくい
- 体の倦怠感、全身への違和感
- 首や四肢のけいれん、こわばり
破傷風の治療
破傷風の治療には抗破傷風人免疫グロブリンと抗生剤の投与を行います。
しかし、体内で放出された毒素には無効のため、事前のワクチン接種で抗体を付け破傷風菌を体内で増殖させないことが大事です。
破傷風ワクチンについて
破傷風ワクチンは海外渡航時に推奨されるワクチンですが、日本国内でも破傷風を発症する人は毎年100人ほどいらっしゃいます。
これは高齢者の中には破傷風が定期接種に含まれておらず、抗体を持たないため感染してしまった人がほとんどです。
しかし子供の時にワクチンをうった人も10年ほど経つと抗体が少なくなってしますので10年ごとにワクチンの再接種を行うことが推奨されています。
まとめ
破傷風菌はベトナムだけでなく世界中、日本の土の中にも普通に含まれる菌です。
感染経路は傷口から菌が入り込んで感染するのですが、目に見えないほどの小さな傷から侵入されることもあります。
本来感染力があまり高くない菌ですのでワクチン接種を行っていれば問題になることはほとんどありません。
先進国であればあまり見ない病気ですが、どこにいても10年に1回はワクチンを打ちましょう。
土いじりなどをする方はゴム手袋を着け、手洗いの徹底をしてください。
情報提供:さくらクリニック
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