おすすめのプロモーション
ベトナム人大学生、子どもの位置情報確認機器の開発に成功
今回開発された現在地の位置情報を遠隔で確認出来る機器は靴に取り付けることが出来るようだ。
ベトナム人大学生が誘拐や迷子などの万が一の場合に備え、子どもの位置情報を追跡できる機器を開発することに成功した。
開発したのはダナンのBach Khoa大学で機械工学を専攻するLe Van Dayさんだ。Dayさんはナビゲーション機能を子どもの誘拐防止に役立てることを思いつき、今回の開発に成功したという。
Dayさんは最近、子どもを誘拐や虐待する事件が多く新聞で報道されており、心を痛めていたそうだ。
その矢先に10歳の少女であるNhat Linhさんが誘拐され、日本で殺害された事件を耳にして、ついに誘拐を防止する装置の開発に踏み切ったそうだ。
Dayさんは当初、位置情報がわかる機器を手首や背中につけることを考えていたが最終的には「常に身につけていられる」との理由から靴に装着するスタイルに決めたという。
開発の成功までの道のりは長かった。機器は小さいだけでなく、靴の形に合うように作る必要があるため、開発は困難を極めたという。
機器にはGPSやSIMカードが含まれ、共有設定をしている携帯端末に45分毎に位置情報が送られる仕組みになっている。
保護者はいつでも子どもにメッセージを送ることが出来るようになっていて、万が一通信が途絶えた場合にはGPSの位置情報が記録されるようになっている。
Dayさんは「機器はカモフラージュを施しているため、万が一誘拐されても発見されにくく、奪われる確率が低い」と話す。
緊急事態を知らせるボタンは靴の内部に設置されており、緊急事態であることを知らせたい場合には片足で靴を蹴るだけで作動する仕組みだ。
さらに、機器内部にはSIMカードが挿入されているため、万が一の時に保護者からの連絡の受信や通話が出来るようになっている。
Dayさんによると、最新版の機器は2時間の充電で15時間ほど持つそうだ。
二児の母であるPham Thi Phuongさんは機器の販売開始と共に購入を決めたという。
Phuoungさんは「機器の電源をつけておけば、子どもの現在位置がわかるため安心できる」と述べる。
Dayさんが開発した機器が高性能であるとされ、学会で表彰された。
ただDayさんは「製品の実用化はまだ遠い。小型化により、ワイヤレス通信の精度をはじめとする必要不可欠な機能が低下してしまう恐れがある」と語る。
ダナンのBach Khoa大学工学部のNguyen Danh Ngoc博士はDayさんの製品について、「この商品は売れるに違いない」と称賛している。
さらにNgoc博士は「Dayさんの発想力の高さ、絶え間ない自己研鑽、科学への情熱にはいつも感心している。Dayさんの発明能力はもっと高く評価されるべきだ。彼の活躍は多くの大学生を触発したに違いない」と続けた。
Dayさんの部屋には機械の発明コンテストなど多くのコンテストで獲得した賞状が飾られており、Dayさんには「アワードハンター」の異名もある。
Dayさんは2017年には老人向けにナビゲーション機能と万歩計機能を搭載した時計を開発し、英国政府主催の世界的な科学コンテスト「FameLab」でグランプリに輝いた。
大学1年生の頃から発明に没頭し、他にも種取り機や胡椒挽き機など様々な製品を発明している。中には実用化されたものもあり、現在もベトナムで販売されている。Dayさんの発明に触発される下級生も多いようだ。
Dayさんは20平米の部屋で研究に没頭した生活を送っている。
関連記事
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。