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ベトナムでソフトドリンクの消費量増加、肥満率上昇が問題に
世界保健機関(WHO)はベトナム国内におけるソフトドリンクの消費量の急増により、ベトナム人の肥満率が上昇し、生活習慣病患者の増加の原因となっているとしてベトナム政府に警告している。
金曜日、世界各国の健康問題に関する会議で、専門家がベトナムにおける糖分を多く含むソフトドリンクの消費量はここ15年間で急増していることを指摘したという。
今回、専門家がベトナムのソフトドリンクの消費量の増加を指摘したのはWHOの調査が背景にある。
国立栄養研究所のTruong Tuyet Mai副所長によると、ベトナム人は今年だけで50億リットルのソフトドリンクを消費することが予想されるという。この消費量は2000年に比べて9倍近く増加しているそうだ。さらに、2025年には消費量が110億リットルに到達する見込みだ。
英国の市場調査会社の「ユーロモニター・インターナショナル」の調査によると、2016年にベトナムで販売された飲料は40億リットルに及んだという。中でも最も売れたのがインスタントの紅茶とソフトドリンクだそうだ。
この調査では、ソフトドリンク市場がベトナム国内で急速に伸びており、現在の成長率は9.2%であることも明らかになった。
ベトナム保健省管轄の総合予防医学局のTruong Dinh Bac副局長は「ソフトドリンクは世代を問わず人気であるが、ソフトドリンクが国内の肥満率の増加の大きな原因となっているのは事実だ。肥満になると、心臓病や高血圧、脳卒中が引き起こされる可能性が高まる」と語る。
WHOによる学生の健康状況に関する調査では、先月、ベトナム人学生の31%がソフトドリンクを消費したことがわかった。この数値は他国と比べても高く、次世代にも健康問題をもたらすとしてWHOが警告しているのだ。
ベトナムでは肥満率は急速に上昇しており、現在、ベトナム国内では25%の成人が肥満と診断されているという。
ホーチミン市自治体職員は「2016年の学生の肥満率は19%に上るという。また、肥満度も平均収入が増加し、生活水準が向上している都市部では年々上昇している」と現状を話している。
ワシントン大学の研究では、昨年6月の2歳~19歳のベトナム人の肥満率は6.8%に及んだという。
これを受け、現在、ベトナム政府は学校内の食堂におけるソフトドリンクの販売を禁止している。
ベトナムのNguyen Xuan Phuc首相は学校内でのソフトドリンクやその他の健康上よくないとされている飲食物の広告を禁止することも指示している。
昨今、ベトナム財務省は2019年までにソフトドリンクの消費税を10%もしくは20%増加させることを提案している。増税により、肥満率の上昇を食い止め、生活習慣病の患者数を減らしたい考えだ。一方、増税により飲料業界の売り上げが著しく低下することも懸念されており、現在議論中だ。
ベトナム産業貿易省はソフトドリンクに大量の砂糖が含まれていることだけではソフトドリンクの消費税増税に踏み切るのに十分ではないと主張している。
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