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米大統領選挙、ベトナムはどの道恩恵を受けると地元紙が予想

2020年11月04日(水)16時56分 公開
米大統領選挙、ベトナムはどの道恩恵を受けると地元紙が予想

 

11月3日午後6時(ベトナム時間)から順次投票が始まったアメリカ大統領選挙について、ベトナムの専門家からはどちらが大統領になっても恩恵を受けることになるが、どんな恩恵を受けることができるかは全く異なるとの意見が強い。

 

今回のアメリカ大統領選挙は共和党のトランプ大統領が再選するか、民主党のバイデン前副大統領が勝利するのか、世界が注目している。

ベトナム時間午後4時45分時点での選挙人の数はトランプ大統領が213人、バイデン氏が224人とバイデン氏が優勢だ。

 

経済学者のLe Dang Doanh氏はVNエクスプレスに対して、トランプ政権が中国に対して課した関税を背景にベトナムの対米貿易は増加し、ベトナムに生産拠点を移管する多国籍企業が増加したため、ベトナムにとってはトランプ大統領の再選が望ましいと話した。

 

トランプ大統領が再選すれば、ベトナムは対米貿易などで多くの恩恵を受けることができるだろうと同氏は分析している。

 

中国からの生産拠点の移管は、過去には可能性の1つとしてしか考えられていなかったが、すでに現実となっている。

アメリカのアップル社も例外ではなく、AirPods Pro(エアーポッズ プロ)の組み立てをベトナムで行っている。

 

さらに、世界最大の電子機器受託生産企業であるフォックスコン(Foxconn)もベトナムが東南アジア最大の生産拠点であることを認めている。

 

ベトナムの世界における繊維縫製品輸出のシェアは、2015年に5.9%だったものの、2019年には8.9%まで拡大した。

一方、中国は多くの企業が中国から他の国への生産拠点を進めたため、2015年の38.3%から2019年には29.1%にまで縮小した。

 

Doanh氏と同様に、別の経済学者であるCan Van Luc氏も、トランプ政権がインドとアジア太平洋地域との外交関係に力を入れているため、トランプ大統領の再選がベトナムの経済にとって有利にはたらくと見ている。

 

10月29日にはアメリカのマイケル・ポンペオ国務長官が、自身のアジア歴訪の最後の国としてベトナムを訪問したことは、アメリカが貿易関係を含むベトナムとの二国間関係を強化したいことを示しているとCan Van Luc氏は分析している。

 

新型コロナウイルスの影響で、ベトナムの貿易成長は鈍化したが、アメリカはベトナムにとって最大の輸出相手国であることに変わりはない。今年1月〜10月の輸出額は前年比 24%増の623億ドルとなった。

 

先月にハノイで開催されたインド太平洋ビジネスフォーラムでは、アメリカ企業がベトナムにおける液化天然ガス(LNG)基地と発電所の建設で協力することや、今後5年でベトナム企業が総額5億ドル分のアメリカ産の豚肉を購入することに合意するなど、6つの主要なビジネスにおいて合意をしていた。

 

このようなことが、ベトナムのトランプ大統領の人気につながっている可能性がある。

VNエクスプレスの調査によると、回答者5万9600人のうち、約79%がトランプ大統領の再選を望んでいるという。

 

しかし、バイデン氏が当選してもベトナムには恩恵があるとの声も強い。

 

経済学者のNguyen Tri Hieu氏は”バイデン大統領”が誕生した場合、トランプ大統領が離脱するための大統領令に署名した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に再び加盟するのではないかと予想している。

 

バイデン氏は昨年、アメリカは雇用問題と環境問題を強化するために、TPP協定の一部を再交渉することを示唆していた。

TPP協定については、対中国のためには必要としつつも「労働者が競争力を持てるようにする」とTPP協定に不安を抱く労働者層を意識した上で力説していた。

 

Hieu氏はさらに、アメリカがTPP協定に再度加盟した場合、ベトナムは関税面で恩恵を受けることになり、対米輸出がこれまで以上に成長すると予測した。

 

また、Hiue氏はトランプ大統領が再選した場合、ベトナムの為替操作を不正と認定し、ベトナムから輸入する物品に追加関税をかける制裁措置が発令するのではないかとの懸念を示した。

 

10月2日、米通商代表部(USTR)はベトナムの為替操作により対米貿易に悪影響を及ぼし、アメリカが不利になっている可能性があるとして調査をすることを発表した。

 

今年1月〜9月のベトナムの対米貿易黒字額は443億ドルで、昨年同時期に比べ19%増加している。

ベトナム政府は為替制作で不公平な貿易優位性を作り出そうとしたことは一度もないと繰り返し主張している。

ベトナム国家銀行(中央銀行)のレ・ミン・フン総裁も、中央銀行は商取引や国際取引において不当な競争優位性を得る目的で為替レートなどの通貨政策を使用したことはなく、今後も使用しないと主張している。

 

Hiue氏はトランプ大統領の厳しい為替政策が今後課せられた場合、ベトナムの輸出業者は最大25%の関税に苦しむことになるだろうと話した。

 

さらに、米中貿易摩擦が長引けば、ベトナムはどちらかの国の味方にならざるを得なくなり、ベトナムの貿易政策に反することになるとした。

そのため、バイデン氏が当選すれば、中国とより融和的な政策により、米中貿易摩擦が和らぐことで、ベトナムが高い関税に苦しむ危険性が減るとHiue氏は結論づけた。

 

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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