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ベトナム経済 2022年に急速に回復する予想:格付け機関
〈写真:vietnamplus〉
格付け機関のフィッチ・レーティングスによると、内需の回復と輸出の好調を背景に、ベトナムの景気回復は2022年に勢いを増すという。
同社は最近の報告書の中で、同国におけるワクチン接種率が上がってきていることから、新型コロナウイルスの感染拡大により回復が遅れるリスクは減少すると述べている。しかし、特にここ数カ月は1日当たりの感染者数が増加傾向にあり、パンデミックの進展は依然として不透明な状況である。
2021年の経済成長率は2.6%で、同社が2021年4月にベトナムの格付けを「BB」に据え置き、見通しを「安定的」から「ポジティブ」に修正した際の予想値7%を大幅に下回るものだった。
同社によれば、これは、当局が感染者の急増を抑制するために行ったロックダウンにより、昨年第3四半期の実質GDPが前年同期比で6%縮小したことを一部反映している。政府はワクチン接種率の上昇に伴い、「ゼロコロナ」対策から柔軟な適応策へと移行しているため、さらなるパンデミック関連でのショックは起こり得るものの、それほど深刻になることはないだろうと予測している。
また、2021年に19%増加した輸出が成長を牽引するとし、2022年には活動が正常化しサービス需要が回復するため、先進国では財需要の伸びが減速すると予想している。2021年の対内投資は好調を維持し197億ドル(約2兆2722億円)となり、2020年の200億ドル(約2兆3068億円)からわずかながら減少した。同社が2022年から2023年にかけて期待する堅調な輸出実績は、雇用創出などによるプラスの波及効果を通じて、国内投資と消費を活性化させるだろうとしている。
同社の現在の予測では、ベトナムの公的債務/GDP比率は2022〜2023年にかけてほぼ安定し、GDP比41%程度となる。この予測以降、政府はこの期間に約153億ドル(2021年GDPの約4%、約1兆7647億円)相当の財政刺激策を承認したが、ベトナムの債務/GDP比率は2022年に56.6%、2023年に56%と、同国の中央値より低い水準を維持すると指摘している。この施策は特定の減税や免税を継続するため、歳入基盤に重くのしかかるが、回復が強まるにつれ、これらは撤回される可能性がある。また、中期的な成長見通しを下支えする追加のインフラ支出も含まれているとしている。
同社は、2021年のパンデミック抑制施策に伴う経済活動の混乱の中で、ベトナムの銀行セクターの不良債権は増加したとし、力強い経済成長への回帰により資産の質に対するリスクは減少するはずだと付け加えた。また、発生した内部資本の多くが貸借対照表の急速な成長によって消費される可能性が高いため、2022年〜2023年にかけても銀行の資本蓄積ペースは小幅にとどまるとみている。昨年4月、同社は、銀行部門の脆弱性からソブリン・バランスシートにもたらされるリスクが大幅に軽減されれば、格上げにつながる可能性があるとした。
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