おすすめのプロモーション
各部門の良好な回復がベトナム経済の成長を牽引:世界銀行
〈写真:VietnamNews〉
世界銀行がこのほど発表した「ベトナム・マクロ・モニタリング」によると、2022年第1四半期のベトナムの経済成長は、輸出志向の製造業と回復しつつあるサービス部門の堅調な業績のおかげで、確固たるものとなった。
2022年第1四半期の同国GDPは前年同期比5.0%増となり、2021年第4四半期の成長率に匹敵したものの、パンデミック前の成長率を2%ポイント下回る結果となった。
産業と建設、サービス部門はそれぞれ前年同期比6.4%、4.6%成長し、四半期のGDP成長率に4.3ポイント寄与した。工業と建設業の成長は、製造品に対する強い外需に牽引されたが、サービス部門の業績はサブセクターによって様々であった。
例外的に回復力があった金融、銀行、保険、情報・通信は過去2年間、堅調な成長を維持した一方で、宿泊・飲食サービス業は前年比1.8%減となり、パンデミック前の水準を大きく下回った。
3月の鉱工業生産指数は前年比8.5%増で、パンデミック前の水準に匹敵し、小売売上高の伸びは2月の4.1%から9.4%に加速し、パンデミック開始以来2番目に高い成長率となった。この反発は、パンデミック後の経済活動の再開が一因であり、物品販売の10.7%増に牽引されたものである。
3月の商品貿易収支は14億ドル(約1800億円)の黒字となり、外国直接投資(FDI)はロシア・ウクライナ紛争に関連する世界的な不確実性の中、登録・実行とも安定的に推移している。
消費者物価指数(CPI)は、2月の1.4%に対し、3月は前年同月比2.4%上昇した。7ヵ月ぶりの高いインフレ率だが、目標の4.0%を大きく下回っている。
世界銀行によると、消費者物価と生産者物価の上昇は、インフレ率の上昇が国内消費と経済成長の回復に影響を与えるため、国内の物価動向を注意深く監視する必要があるとしている。
2021年の消費者物価指数は、総需要の低迷もあって上昇幅が抑えられているが、過去3四半期の中間・生産者物価指数の累積上昇は、生産決定に影響を与え、消費者物価、特に食料品価格の上昇につながる可能性がある。
短期的には、一般国民、特に最も弱い立場の人々に対する物価上昇の影響を緩和するために、的を絞った政策介入が推奨される。最近当局が導入した一時的な石油税の引き下げは、そうした短期的な措置の一つである。
中期的には、その他の対策として、より的を絞った、効果的で対応力のある社会保護制度を導入し、経済のショックに対する回復力を高めることが必要である。物価上昇が続く場合は、経済が物価変動に適応できるようにする必要がある。
世界銀行によると、当局は経済がより生産的になり、総供給が増加するのを助ける構造改革を検討する必要があり、これには、生産的で革新的な投資に対する減税、ビジネスを行う上での障壁や物流コストの削減、労働者の教育や技術訓練への投資などが含まれる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。