燃料費高騰により多くの漁師が生活苦、漁船半分が操業停止

2022年07月11日(月)10時46分 公開
燃料費高騰により多くの漁師が生活苦、漁船半分が操業停止

<写真:VN Express>

 

燃料費の高騰により、多くの漁師が生活苦に陥っている。

 

クアンナム省のボー・クアン・フックさん(43)は、主要な漁期であるにもかかわらず、ここ2週間は漁船を陸揚げしたままにしている。

 

フックさんの漁船2隻は通常であれば年に16回出漁するが、今年は4回しか出漁していない。

 

また、ディーゼル価格が昨年の2倍になった影響により、4回の出漁はすべて赤字になった。

 

彼が所有する2隻のうち1隻にはまだ17億ドン(約993万円)の借金が残っており、少しでも返済するために1日30万ドン(約1750円)でポーターとして働いている。

 

燃料費高騰に対する政府支援は何もなく、多くの若い世代は安定した収入の得られる他の仕事を求めて漁師を辞めた。

 

フックさんの村で漁師として働くのは年長者だけとなってしまった。

 

フックさんをはじめとする多くの漁師が困難な状況に直面している。

 

ベトナムでは燃料費高騰を理由に、全国の漁船の約半分である4万5800隻が今年に入って操業を停止した。

 

ディーゼル燃料の価格は、1リットルあたり約3万ドン(約175.26円)と、前年同期比でほぼ倍増している。

 

労働・傷病兵・社会問題省の報告書によると、漁船は毎月約3億3000万リットルのディーゼルを消費しており、漁民の収入に深刻な影響を与えている。

 

中部クアンビン省のホアン・バン・ミンさんもその1人で、2ヶ月前から漁船を停泊させている。

 

ミンさんによると、燃料費が30%増加した一方で、漁獲量が例年より少ないため、出漁すれば損をする状態である。

 

村の漁船の半分が操業を停止し、10隻のうち1隻だけが利益を報告しているという。

 

操業を停止した後、ミンさんは1日30万ドン(約1750円)で木工職人として働いている。

 

「息子の学費に150万ドン(約8760円)が必要であるが、どうやって支払えば良いのか」と頭を抱える。

 

クアンビン省には1200隻の沖合漁船があるが、そのうち350隻が操業を停止している。

 

同省水産局のレ・ゴック・リン局長によると、燃料費が漁獲価格より高くなるにつれ、未使用の漁船の数がさらに増加する可能性が高い状況である。

 

漁師の中には、生活費のために船を売却する人も出てきている。

 

クアンナム省のファム・ヴァン・スックさんは沖合いで使っていた船を売却し、ダナン市内で人を運ぶための小さな船を購入した。

 

スックさんによると多くの漁師が、スックさんの船に乗り庭師として働くために毎日市内に通っている。

 

漁師らは夜になると船に戻り、船の警備を行うという。

 

 

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