ホーチミン市の卸売市場、食品の多くが安全でないことが明らかに

2022年07月20日(水)14時20分 公開
ホーチミン市の卸売市場、食品の多くが安全でないことが明らかに

〈写真:Tuoi Tre〉

 

ホーチミン市の卸売市場で採取された野菜と果物のサンプルのうち検査済みの約50%に化学物質の残留が確認され、魚介類のサンプルの40%以上から重金属が検出された。

 

同市食品安全管理局(FSMA)の6年間の運営を振り返る最近の会議で、同局は「セーフフードチェーン」プログラムの製品をサンプリングし、検査を行なったことを報告した。

 

同検査では、多くのサンプルに食品への使用が許可されていない植物保護剤およびその残留物が含まれていることが発見された。

 

野菜や果物など570のサンプルのうち271の検体で残留植物防疫薬が検出され、多くの製品が許容値を超えていた。

 

ほうれん草、トマト、リーフマスタード、白菜、からし菜から真菌病の防除に用いられるカルベンダジムが検出され、ほうれん草、リーフマスタード、白菜、青梗菜、空芯菜から殺虫剤のペルメトリンが検出された。

 

また、アブラナ、高菜、カラシナ、大根から合成殺虫剤のシペルメトリンが検出され、高菜、トマトから農薬のイミダクロプリドが検出された。

 

天然魚介類では100個中、イカ36個、タコ6個など計42個でカドミウムが基準値を超えており、養殖魚介類については全100検体中、シプロフロキサシン、エンロフロキサシン、トリフルラリンなどの使用禁止抗生物質がそれぞれ37検体、49検体、5検体から検出された。

 

FSMAの責任者であるPham Khanh Phong Lanは、禁止物質や植物保護薬に汚染された食品の割合を公表することは、食品の品質を管理する我々の決意を示すものであるとして、「サンプリング、検査、検査結果の公表は、実際の状況を知り、解決策を講じるために必要なことである」と述べている。

 

FSMAによると、野菜・果物栽培における植物保護剤の管理・使用は、地方を中心として改善されてきているが、農家による使用がまだ管理されておらず、非効率な状態が続いている。

 

同市産業貿易局によると、同市内の食料の約70%は伝統的な市場、主に3つの卸売市場によって供給されている。

 

Thu Duc卸売市場では一晩に約2500トンの農産物を受け入れており、その80〜90%は地元で生産されたものである。

 

Hoc Mon卸売市場では一晩あたり平均2037トンの農産物と豚肉を、Binh Dien卸売市場では野菜と果物983トン、海産物977トンを含む約2000トンを受け入れている。

 

卸売市場や食肉処理場から検査のために採取されるサンプルの数は商品総量に比べると依然として少なく、検査方法も迅速検査が主体となっている。

 

Thu Duc卸売市場のディレクターNguyen Nhu氏によると、禁止物質や植物保護剤を含む商品のうち当局が検査できるのはほんの一部で、検査結果は販売後に戻ってくるため、市場で廃棄に回されるのはほんの僅かである。

 

FSMAのLan氏は、卸売市場から検査のために採取される商品サンプルはここ数年で急増したが、総量と比較すると少量であることを認めている。

 

FSMAは検査結果が不合格の業者に対して検査結果を報告し、商品の原産地を追跡し、業者への説明を要求している。

 

同氏は、迅速検査は基本的な活性物質のみの検出を目的としているが、集中検査の結果に基づいて違反を処罰することができるとしていた。しかし、FSMAは現在、大規模で集中的な検査を行うことができない。

 

生鮮食品は消費期限が短く1回の集中検査結果を出すのに時間がかかる。もし、検査に出した商品が腐っていたとしても、異常がなければ関係機関は業者に補償をしなければならない。

 

一方で、販売保留にしなかったが後で問題が見つかった場合、商品が既に売り切れになってしまうこともあり意味がない。この場合、管理機関は罰金の科料、製品の原産地追跡、警告を出す程度しか対応することができない。

 

同氏は製品のトレーサビリティには各省の協力が必要だと指摘する。また、食品安全担当の省庁は、農産物や食品を販売する前に検査し、認証できるような規定を設けるべきである。

 

 

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