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人手不足と主要市場からの旅行客不足、観光産業回復に懸念
<写真:VN Express>
ホスピタリティビジネスの新規開業は増加しているが、人手不足とパンデミック以前の主要市場からの観光客不足が観光産業の回復を妨げている。
統計総局によると、外国人観光客数は前年比582%増の60万2000人で、宿泊・接客業の新規登録件数は前年比約28%増の3000件以上となっている。
しかし、新型コロナウイルスに関する規制解除によって国内観光客6080万人が旅行に訪れており、観光業界各社は多くの地方で急増する需要に対応する十分なスタッフを確保することが出来ていない。
Fleur De Lys Hospitalityホテルチェーンによると、同ホテルチェーンでは各スタッフがいくつかの異なる仕事を引き受けなければならない状況である。
他のホテルではフロント、ハウスキーピング、飲食部門のスタッフ不足が報告されている。
Marriott Internationalタイ・ベトナム・カンボジア・ミャンマーエリアJakob Helgen副社長によると、業界各社は新型コロナウイルスの際に大量離職した従業員の雇戻しが出来ておらず、労働危機に陥っている。
The Secret Con Dao hotelの関係者によると、離職した以前の従業員は既に他の安定した仕事を見つけており、元の職場へ復帰する可能性は低い。
復帰見込みのない元観光業従事者の1人であるホーチミン市在住のチョンさんは、パンデミック前はツアーガイドとして働いていたが、現在はコールセンターのグループリーダーとして月給1300万ドン(約7万3770円)で働く。
チョンさんは、「給料は以前の職場と同様であるが、現在の仕事に慣れたので、観光業に戻りたいとは思わない」と話している。
ヘッドハンティング・プラットフォーム「アデコ・ベトナム」によると、観光、接客、宿泊スタッフの需要は第1四半期から増加しており、多くの企業が空いているポジションを埋めることができずに苦労している。
労働者のスキル不足も観光業界の人手不足に拍車をかけている一因であり、多くの労働者は過去2年間何のトレーニングも受けていない。
パンデミックを機に地元に帰った労働者の多くは、都会の高い生活費と不十分な給与を原因として地方へ留まる選択肢を採っている。
また、外国人観光客の不足が観光業界回復へのもう1つの大きな問題となっている。
上半期の外国人観光客の入国者数は60万2000人で、パンデミック前である2019年の同時期と比較すると93%近い減少を記録している。
2019年上半期の外国人観光客は中国、韓国、日本、台湾の4大市場を合わせると全体の66%を占めていたが、これら主要市場が依然として帰国時の検疫など、何かしらの新型コロナウイルスに関する規制を維持しているため観光回復の足枷となっている。
ニャチャンやムイネーを多く訪れていたロシア人観光客もロシア・ウクライナ危機によって観光に訪れることが可能な状態ではない。
HSBCの市場・証券サービス国別責任者のNgo Dang Khoa氏によると、ロシア・ウクライナの緊張と中国のゼロ・コロナ政策がベトナムの観光回復に大きな影響を与えている。
ベトナム国家観光局は観光回復への解決策の1つとして、韓国、日本、西ヨーロッパ、オーストラリア、ASEANなど直行便が再開した市場をより有効に活用しつつ、インド、米国、中東といった新たな市場へ注力することを提案している。
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