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ベトナムで広がるデジタル決済、キャッシュレス生活が浸透
<写真:VnExpress>
パンデミック後のベトナムでは急速にデジタル決済の普及が進んでおり、その傾向は若者だけでなくテクノロジーに不慣れな中高年にも広まりつつある。
ハノイ市コウザイ区在住のトゥイさん(27)は、パン屋を訪れた際に現金決済しか対応していないと告げられ唖然としたという。
現金を一切持ち合わせておらず、友人に電話をしてお金を届けるように依頼しなければならなかった。
彼女は食料品の買い物から外食まで銀行振り込みで済ませており、現金を使用するのは半年間ぶりのことであった。
冠婚葬祭やガソリンスタンドでもオンライン送金ができるようになっており、現金を持ち歩く必要がなくなったという。
銀行アカデミーの元研修部長であるチャン・マン・ズン博士によると、パンデミックが人々の支払い習慣に影響を与えた結果、デジタル決済は都市部だけでなく、地方でも生活の隅々まで浸透している。
世界的な決済ブランドを運営するVISAが今年6月に発表した「消費者の決済意識に関する調査」によると、ベトナムの消費者65%が持ち運ぶ現金の量を減らし、32%がパンデミック後に現金の使用を中止したと回答している。
現在のベトナムでは、76%がモバイルウォレットを使用し、82%がカードを使用するようになった。
ベトナム国家銀行の統計によると、今年1〜4月のキャッシュレス決済の取引量は69.7%、金額では27.5%増加した。これにはインターネット、携帯電話、QRコードを利用した取引も含まれている。
有効化された電子ウォレットの総数は昨年末から10.37%増加した。
ベトナム国家支払公社(NAPAS)によると現在、ベトナムのキャッシュレス取引は1日で約280万件、総額で21兆ドン(約1201億5011万円)となっている。
電子決済を利用すれば割引が受けられることも多く、泥棒に現金を盗まれる心配をする必要がなくなる。また、販売業者などの間でも現金の確認やお釣りのやり取りの手間が省けるとしてオンライン送金の活用を率先するようになった。
こうした動きは若者の間だけではなく、テクノロジーに不慣れな中高年もキャッシュレス化に前向きな動向を見せている。
ハノイ市のホアンマイ市場で鶏肉を販売するホアさん(60)は、騙されないか不安であったが、子供たちに勧められてデジタル決済を導入した。
多くの顧客が現金ではなくデジタル決済を希望しており、1日平均10〜15羽であった販売量がオンライン決済導入後には2〜3倍になった。
ホアさんは「デジタル決済を導入してからは支払い漏れや過払い、偽札をもらう心配がなくなり、安心感がある」と話す。
同市場では現金を使用したくないという顧客が増えており、他の業者もホアさんに追随するようになったという。
非常に便利で着実に広まっているオンライン決済であるが、特に新しく導入する人は送金詐欺やワンタイムパスワードコードの送信、間違った口座番号への送金などといった潜在的なリスクに注意を払わなければいけない。
ベトナムでは電子取引に関連する詐欺が増加傾向にある。銀行は最近、犯罪者がOTPコードを盗んでデータを取得し、人々の電子ウォレットに不正アクセスする手口が増加しているとして警告を発した。
専門家はリスクを抑えるためにクレジットカードの裏面に記載されているカード番号やCVV番号、有効期限を明かさないよう顧客に助言している。
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