AI搭載の画像変換アプリが人気を博す、セキュリティ等の問題も有り

2022年12月16日(金)13時26分 公開
AI搭載の画像変換アプリが人気を博す、セキュリティ等の問題も有り

<写真:VnExpress>

 

実際の写真をアニメ風のキャラクターに変換するAI搭載アプリが、ベトナムの若者の間で人気を博し、頻繁にダウンロードされている一方で、アプリの不完全性やプライバシー、個人情報に関するリスクへの懸念の声が上がっている。

 

「FacePlay」という名前の同アプリは昨年からベトナムで人気を博していたが、最近になって新たに写真を漫画のようなキャラクターや背景に変換するAIペイント機能を搭載し、再び人気に火がついた。

 

ベトナムのアプリケーションストアでは、同アプリが12月初旬から国内で最もダウンロードされたアプリのリストに頻繁に登場するようになっている。

 

同アプリは1週間3.49ドル(約479円)から1年29.99ドル(約4117円)までの定額制で、利用にはアカウント登録が必要となる。

 

ハノイ市在住のトゥーさんはソーシャルメディア上で同アプリの存在を知り、実在の人物が一瞬でデジタル化されたキャラクターに変わるのを見て、興奮を覚えたという。

 

トゥーさんはアプリ動作を確認するために、1週間の購読パッケージをお試しで利用することにしたが、数回試用した後に購読をキャンセルし、アプリを削除した。

 

同アプリは多くの描画スタイルを提供しているが、仕上がりには大した差がないという。

 

プログラムにもバグが多く、娘を肩に乗せた男性の写真がスカーフを巻いた男性の後ろに女性が立っている絵に変換されるような事例も頻発し、同アプリはインターネット接続を必要とするが、接続性の問題も報告されている。

 

また、多くのセクションが適切に翻訳されておらず、中国語表示のままとなっている。

 

App StoreとPlay Storeには複数のユーザーがFacePlayのバグや無料試用がないことに関する否定的なレビューを残しており、中には購読のキャンセルを勧め、購読中止手順を説明する書き込みも寄せられている。

 

もう1つの人気アプリ「Lensa AI」は女性の体の特定の部分に焦点を当て、元の写真とは異なる性的な画像を作成することが可能として広まった。同アプリは以前、ベトナムのApp Storeで最もダウンロードされたアプリとなったこともある。

 

利用方法は10〜20枚の写真をアップロードすると、アルゴリズムが画像を処理し、様々なアートスタイルのデジタル化された肖像画を作成する。

 

ユーザーは同アプリを利用するために、年間最大29.99ドルのサブスクリプションを支払う必要がある。

 

Sensor Towerのレポートによると、同アプリは12月の最初の5日間で約400万回インストールされ、820万ドル(約11億2568万円)を稼いだという。

 

ベトナムでは他にも多くのAI搭載アプリが増加しており、App StoreのGraphic Designカテゴリには写真をデジタル化した作品にすることが可能なDawm、Namesake、Wonder、AI ArtAIといった搭載アプリが配信されている。

 

その大半が利用するために決済を必要とする。

 

これらのAIアプリは画像生成が迅速であり、業者へアート作品を依頼するよりも低価格であるといったメリットがあるが、個人データやプライバシーに関するリスクをはらんでいる。

 

アプリの利用には携帯電話のカメラやフォトギャラリーにアクセスする必要があるほか、端末のIDや位置情報を必要とするものもある。

 

Lensaを開発したPrisma LabsのCEO兼共同創業者のAndrey Usoltsev氏によると、ユーザーがアプリ上の写真をアップロードしてから24時間後に削除できる機能が導入されているという。

 

 

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