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日本や韓国で不法就労するベトナム人留学生の実態
<写真:VnExpress>
日本や韓国へ留学するベトナム人学生の多くが強制送還といったリスクを把握しながらも、学費や生活費を稼ぐために許可された時間以上の労働や違法施設での就労をしている。
日本へ留学したズンさん(24)は2021年2月に日本へ渡り、日本語学校で語学を勉強した後に日本経済大学へ入学した。
留学生は週28時間までのアルバイトが認められており、ズンさんは都内のレストランでウェイターとして月15万円程度の収入を得ていたが、自身の学費や生活費のために借金をする両親のことを考え、他の仕事も探すようになったという。
その後、知人から果物工場での仕事を紹介され、ウェイターのアルバイトと掛け持ちで更に週20時間働いて追加で月14万〜17万円を得るようになった。
給料は現金で支給されていたため、ズンさんは許可された時間を超過した労働が誰にも知られることはないと考えていたが、1月のビザ更新時に不法就労者として帰国を余儀なくされた。
ベトナムに帰国したズンさんは友人の家に滞在しており、「こんなに簡単に自身のキャリアが閉ざされるとは思っていなかった。借金も残っている。両親の反応が怖くて故郷に帰れない」と話す。
韓国に留学したベトナム人学生も同様で、繰り返し不法就労して強制送還されるベトナム人留学生が多々見受けられるという。
2022年時点のデータでは日本に3万8600人、韓国には6万人の留学生がいる。留学生の学費と生活費は日本で年間3億7000万ドン(約210万円)、韓国で2億4400万〜3億7000万ドン(約139万〜210万円)程度である。
留学情報サイト「Study in Japan」によると、奨学金や学資援助を受けていない留学生の約75%がレストランやコンビニ、翻訳や講師といったアルバイトで生計を立てており、半数以上が時給1010円程度であるという。
また、韓国のベトナム人留学生によると、留学生はソウルや近隣の飲食店で時給約9620ウォン(約994円)のアルバイトをすることが一般的である。
経済的なプレッシャー、あるいは単にもっと稼ぎたいという願望から、ベトナム人留学生の多くは許可された時間数以上に働いたり、労働契約のない無認可の施設で働いたりしている。
ある日本語学校の講師によると、一部の企業は税務署に報告しないという嘘の約束をし、年末の節税対策として留学生にアルバイトをさせるケースもあるという。
韓国では無許可の施設で留学生を通常よりも20〜30%低い賃金で働かせることが多く、中には留学生から金銭を詐取する雇い主もいる。
韓国の法律事務所ローウィンによると、ファーストフード店でアルバイトをしていたベトナム人留学生の給料から約70万ウォン(約7万2330円)が不当に差し引かれ、30万ウォン(約3万1000円)しか支払われないといったようなケースが頻発しているという。
また、不法就労する留学生は労働災害が発生した際に身を守るすべもなく、非常にリスクが高い。
ある日本語学校の講師は「日本の大学を卒業すれば年収は4億〜6億ドン(約227万〜341万円)になる。欲張って目先の金銭に囚われないように」と呼び掛けた。
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