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東南アジアのドリアン、中国の再開後に輸出競争が激化
<写真:VnExpress>
世界最大のドリアン市場である中国市場が再開されたことを受け、同国へのドリアン輸出競争が古参のタイと新参のベトナムやフィリピンの間で激化している。
中国が昨年9月にベトナム産ドリアンの正式輸入を許可したため、ベトナム国内のドリアン価格が上昇し、ベトナム南部ではドリアン栽培が最新のトレンドとなった。
ティエンザン省では米やジャックフルーツを栽培していた農家が、従来の作物栽培を全て中止し、ドリアン栽培に切り替えるほどであるという。
農業農村開発省によると、ベトナムでは2030年までにドリアン栽培面積を7万5000haにする計画であったが、現時点で既に栽培面積が8万haを超え、更に増加し続けている。
2022年のベトナム産ドリアンの輸出額は約4億ドル(約546億2720万円)で、中国への輸出額は3億ドル(約409億7040万円)であった。
中国の税関によると、同国のドリアン輸入総額は42億ドル(約5735億8560万円)で、2017年から7倍に増加している。
現状ではタイが中国への最大の生ドリアン輸出国であり、2021年の輸出量は前年比68%増の87万5000トンに達していた。
中国の1人あたりドリアン消費量は更に増加する見込みで、ドリアン生産各国は中国への輸出シェア拡大に注力している。
ベトナムは中国との物理的距離が近く、タイよりも有利であるという。
また、フィリピンが最近になって中国へのドリアン輸出許可を得たことに加え、マレーシアも中国への輸出拡大に注力しており、今後はドリアンの輸出競争が更に激化する見込みである。
しかし、ベトナムのドリアン栽培には多くの課題が残っている。
ベトナム商工省アジア・アフリカ市場部のトー・ゴック・ソン副部長によると、中国へのドリアン輸出は厳しい品質基準と規制を尊重する必要があるが、ベトナムの農家は目先の利益を考え、栽培面積を拡大することで輸出量を増加させようとしているという。
ドリアン栽培は適した土壌で栽培しなければ収穫量や品質が低下するが、多くの農家がコーヒーや胡椒、稲作を放棄して品質を無視したドリアン栽培をはじめている。
農業農村開発省はベトナム南部と中央高原の農家を対象とした声明を発表し、ドリアンの供給過剰と品質低下を防ぐために、栽培拡大のペースを遅らせるように警告を発した。
また、同省は地方当局に対し、ドリアン栽培に適した地域を農家に知らせるように呼び掛けている。
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