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ベトナム北部の電力不足、企業の深刻な状況に追い打ち
<写真:Vtc.vn>
ベトナムでは世界的な経済失速による受注減で企業各社が困窮していたが、今度は過去2週間にわたってベトナム北部の全産業が電力不足による困難に直面している。
公式統計によると、今年1月〜5月に8万8000の企業が一時的または永久に操業を停止し、VnExpressと政府の民間経済開発研究委員会が1万社近くの企業を対象に行った調査では、82%が今年中に業務を縮小するか事業を停止する予定であることが明らかになった。
ハノイ市のクアンミン工業団地に拠点を置くハノイCNCアキュレートメカニカル社のグエン・ミン・チャウ代表によると、今年は世界経済不況の影響で受注が減少し、運良く受注できたとしても、リードタイムが短く、納期は急を要する状態である。
また、適切な予告なしに発生する停電が納期通りの生産に支障をきたし、パンデミック後の回復を目指す企業にとって負担になっている。
食品加工会社Song Phuong社のヴー・カック・ティエップ副社長によると、同社製造ラインの90%が自動化しているが、停電によって生産能力が40%低下し、対応に向けた不規則なシフトスケジュールによって経費も増加した状態である。
同社は中国や欧州の受注を抱えているが、停電の長期化と頻発の可能性に懸念を表明している。
商工省によると、1日の電力不足は3090万kWhであるが、日によっては5080万kWhまで増加する。
特に外資系大企業が電力不足に悩まされており、約1万社の韓国企業を代表する在ベトナム韓国企業協会のホン・スン会長によると、多くの会員企業が週2〜3回の停電に頭を抱えている。
停電によって注文の履行が遅れて機械や商品に影響が生じる一方で、固定費が減少することはない。納品が間に合わなければ補償金を支払う必要もあり、同協会はファム・ミン・チン首相に改善策を講じるように申し入れている。
サービス業も電力事情に大きな影響を受けており、ベトナム船舶代理店・ブローカー・海事サービスプロバイダー協会のファム・クオック・ロン会長によると、電力不足により北部の港が混雑し、全体的に損失が発生しているという。
ハイフォン港では通常日に8~9隻分の20フィート換算で約1万5000個の貨物を通関させ、船の積み下ろしには20時間程度掛かる。
しかし、船が岸壁に入っても電気が通っていないため、貨物が山積みになり、港や船会社の損害は1隻あたり3万〜4万ドル(約418万〜558万円)にもなる。毎日20〜30隻の船が出入りしているため、被害は決して小さいものではない。
港湾はハイテクへの多大な投資によってガソリンの代わりに電気を使用しており、実際の損失だけでなく、評判を落とすリスクにも直面する可能性がある。
大型スーパーマーケットやショッピングモールも停電の影響を大きく受けており、生産・サービス業の多くが生産量を減らして節電に努め、顧客へ理解を求めている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。