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気候変動や地下水過剰利用、清潔な水確保に苦慮するホーチミン市
<写真:VnExpress>
ホーチミン市水道総公社(SAWACO)のブイ・タイン・ジャン副社長は、気候変動と人口増加、地下水の過剰利用がホーチミン市の清潔な水の供給を圧迫しているとして警告を発した。
2022年には同市内の世帯16%が井戸から汲み上げた地下水を使用していたが、2023年1月〜5月は15%であった。
同市における水の約94%はサイゴン川とドンナイ川から供給されているが、工場や工業団地では排水を川に流しており、その多くが高度な排水処理技術を持っていない。
水不足に備えて清潔な水を貯水するための予備貯水池も不足している。
ホーチミン市人文社会科学大学都市学部のグエン・ミン・ホア上級講師によると、気候変動が水利用場所と時間、量に影響を及ぼし、人々や生態系の健全性に害を及ぼす可能性がある。
気候変動の影響はメコンデルタやホーチミン市といったベトナム国内の低地帯で特に起こりやすく、海面が0.7~1m上昇した場合には同地域全体と同市の面積の72%が水没するとともに、塩水が侵入して水や地下水の塩分濃度が上昇する恐れがあるという。
干ばつによってチーアンやダウティエンなどの貯水池が枯渇する可能性もある。
同市の人口は毎年平均で25万人ずつ増加し、2030年には1000万人、2050年には1500万人に達することが予想されており、水需要も増加傾向となっている。
また、年間800万人〜1000万人の外国人観光客と1500万人〜2000万人の国内観光客が訪れることも予想されるため、1人当たり1日200〜300リットルの水需要対応に向けて水供給量を増加させる必要がある。
同市は新しい都市部の誕生によって更に大規模で強力な水供給システムが必要となる。
専門家は気候リスクを軽減するため、都市がシステムに及ぼす潜在的な影響を考慮し、レジリエンスを構築するための措置を講じるべきであると指摘する。
人々は水を効率的に使用し、水域を清潔に保つための手段を講じる必要があり、工業団地やその他事業所の給水工事は地下水の搾取を防ぐために注意深く監視される必要がある。
また、同市の資源環境部は水供給と水の安全保障に関連した検査、リスク管理、事件や災害への備えを行い、清潔な水の供給システムに対する追加投資を呼び掛けることが必要になる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。