ベトナムのHIV感染経路に変化、現在は男性同士が主流

2024年05月31日(金)07時00分 公開
ベトナムのHIV感染経路に変化、現在は男性同士が主流

<写真:thanhnien.vn>

 

ベトナムにおけるHIV感染経路は過去20年間で変化しており、現在は男性同性愛者の性行為が主要な感染経路となっている。

 

以前は売春婦との性行為や注射器の共有が主な感染経路であった。

 

保健省の統計によると、男性同性愛者のHIV感染率は2011年の約4%から2022年には3倍以上に増加し、今後も増加が予想される。

 

新規感染者の多くは16歳から29歳の若者であり、特に工場労働者や学生が多い。

 

この年齢層の感染経路を分析すると、約89%が性行為によるもので、そのうち男性同性愛者が約77%を占めている。

 

地元メディアの報道によると、29日にハノイ市のE病院腎泌尿器科・男性学科のファム・クアン・カイ医師は、22歳の同性愛者の友人と共に受診に訪れた19歳の青年がHIVに感染していたことを発表した。

 

青年は長期間の疲労、口内炎、風邪を引きやすいと感じ、診察を受けたところ、HIV感染が発覚したという。

 

カイ医師は2人が同性愛者でありコンドームを使用していないことを聞き、血液検査を求め、連れ添っていた友人も感染していることが明らかになった。

 

2人はHIVに感染しているとは全く疑っておらず、酷くショックを受けていたという。

 

同性愛者のグループは肛門性交のリスクが高いため、HIVやその他の性病に感染しやすい。

 

カイ医師によると、直腸の粘膜は損傷しやすく、ウイルスが侵入しやすいため、膣の粘膜よりも感染リスクが高くなる。

 

また、男性同性愛者のグループでHIVやその他の性病感染リスクが高いのは、パートナーを頻繁に変えることが原因であるという。

 

多くの同性愛者が複数のパートナーと交際し、指数関数的に感染が広がる可能性がある。

 

ベトナムでは多くの人が肛門性交が感染を引き起こさないと誤解しているという。

 

現在、HIVを完全に予防するワクチンや治療法は存在しないため、同性愛によるHIV感染を予防するためにHPVワクチンの接種やコンドームの使用が推奨されている。

 

また、男性は潤滑剤を使用して直腸の損傷を防ぎ、性病の感染リスクを減らす必要がある。

 

HIV感染の疑いがある場合や感染が確認された場合は、医師の指導に従って診察と治療を受けなければならない。

 

 

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