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ホーチミン市の戸建て住宅価格、過去十年で最高水準に到達

2024年07月17日(水)07時00分 公開
ホーチミン市の戸建て住宅価格、過去十年で最高水準に到達

<写真:cafef.vn>

 

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによると、ホーチミン市の戸建て住宅(ヴィラ、タウンハウス、商業施設)の価格は、2023年同時期と比較して41%増加し、1㎡4億8000万ドン(約299万円)となり、過去10年間で最高値を記録した。

 

DKRAグループの報告では、2023年上半期に同市の戸建て住宅の初売り価格は最高で7500億ドン(約46億6380万円)、最低で55億ドン(約3420万円)に達している。これに対し、2022年には最高で7000億ドン(約43億4300万円)、最低で49億ドン(約3047万円)であった。

 

サヴィルズ・ベトナムの研究によると、過去5年間でホーチミン市の戸建て住宅の価格は、初売り市場で3倍、中古市場で2倍に増加している。

 

価格上昇の原因として、供給不足が挙げられる。第2四半期には初売り市場で337軒、中古市場で300軒未満が供給された。この供給不足は、開発業者が新プロジェクトの紹介を遅らせているためであり、保有する土地を持つ業者は高級および超高級製品の開発を優先し、利益の最大化を図っている。

 

また、市場調査会社によれば、いくつかのプロジェクトが建設の遅延により、販売契約を締結する条件を満たしていないことも供給不足の一因である。これにより、戸建て住宅の価格は年々上昇している。

 

高価格により、初売り市場および中古市場での取引と需要は低迷している。クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによれば、第2四半期の同市では337軒の新しい戸建て住宅が販売され、前年同期比で61%減少した。2023年前半の吸収量は173軒にとどまり、前年同期比で59%減少した。

 

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの総支配人であるチャン・ブイ氏は、同市の戸建て住宅の流動性が低下しているのは、初売り市場の価格が高すぎることに加え、中古市場および近隣省の手頃な価格の物件との競争が激化しているためであると述べている。購入者は高額な資産に対して慎重な姿勢を保ち、市場の動向を観察しており、現時点では積極的な購入には至っていない。

 

サヴィルズ・ベトナムの研究部門責任者であるジャン・フイン氏は、同市のヴィラやタウンハウスで300億ドン(約1億8655万円)以上の物件は取引に苦戦していると指摘する。第2四半期には、この価格帯の物件は在庫の6%しか売れず、連棟住宅の販売率が最も高くても31%にとどまった。

 

価格上昇により、実際に居住するための戸建て住宅を求める人々は、経済的により適した選択肢を求めて近隣省に移動する傾向が強まっている。これが戸建て住宅の流動性低下の一因であるという。

 

市場調査会社の予測によると、年末までに同市では約900軒の新しい戸建て住宅が供給され、今後3年間で供給量は9600軒に達する見込みである。このセグメントは引き続き供給不足が続き、大半の新規プロジェクトは市中心部から5~25km離れた場所で展開される予定である。

 

チャン・ブイ氏は、同市内の土地不足と土地利用コストの高騰により、中心部に近い土地を持つ開発業者は低層住宅プロジェクトよりも高層住宅プロジェクトを優先すると説明している。戸建て住宅を開発するには、数千㎡以上の広大な土地が必要である。同じ土地であれば、高層住宅を建設した方が利益率が高く、流動性も良好である。

 

そのため、戸建て住宅セグメントを開発するには、開発業者はビンチャイン郡、ニャーべ郡、トゥードゥック市などの人口密度が低い地域や、今後の競争力が高い近隣省の土地を探す必要がある。

 

 

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