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ベトナムのHIV感染、同性愛者を中心に若年層で急増
<写真:tuoitre-vn>
ベトナム国内でHIV感染が若年層を中心に拡大しており、2024年の初頭から9月までに新たにHIV陽性と診断された約1万1500件のうち、15~29歳の若年層が40%を占めた。
これは2016年の32%から大幅な増加である。
保健省HIV/AIDS予防管理局によると、国内のHIV感染者数は推定26万7000人を超え、2024年1月から9月までの新規感染者は1万1421人で、その82.9%が男性であった。
特に同性間性交渉(MSM)が新規感染者の42.2%を占め、最も大きな割合を占めている。
感染経路は変化しており、血液感染の割合は2010年の47.5%から2024年9月には6.5%に低下した。
一方で、性的接触による感染は同期間で47.5%から70.8%に増加している。
合成薬物の使用や「ケムセックス」と呼ばれる薬物を伴う性的行為、複数人との性交渉など、リスク行動の複雑化も指摘されている。
新規感染者は南部地域や主要都市に集中しており、これらの地域は経済、文化、教育の中心地であり、多くの労働者や学生が集まるため、感染リスクが高まっているという。
特に東南部とメコンデルタ地方では、2024年9月までに新規感染者の約70%を占めた。
一方で、北部山岳地域や中部高原でも感染拡大の兆候が見られ、潜在的な危機が懸念されている。
また、ハノイ市ではトランスジェンダー女性のHIV感染率が2022年に5.8%に達した。
ホーチミン市では2004年の6.8%から2016年には18%、2020年には16.5%に達するなど、高い水準を維持している。
専門家はPrEP(暴露前予防薬)の全国的な普及を感染拡大抑制の最優先課題と位置付けている。
また、MSMやリスク行動を取る層へのターゲット型施策の強化が求められる。
保健省HIV/AIDS予防管理局は「HIV/AIDSは依然として複雑な状況を呈している。特にMSMが新規感染者の約40%を占める現状は、国内のHIV流行の主要因となっている」と警鐘を鳴らした。
ベトナム政府と国際機関は、若年層とリスクの高いコミュニティへの支援を強化し、流行拡大の歯止めを図る必要がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。