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たばこの特別消費税増税、財務省が2案を提案
<写真:plo.vn>
ベトナム政府はたばこに対する特別消費税の増税を進める中で、市場への影響を最小限に抑えつつ、不正流通の防止や公共財政の確保を図る方針を示した。
19日に司法省とベトナム法律新聞の共催による討論会で、専門家や業界関係者が増税に関する課題と提言を議論した。
討論会では特別消費税の増税が健康促進と税収増加の観点から必要であるとの認識が共有された。
一方で、提案されている増税案はいずれも市場に急激な負担を強いる内容であるため、不正流通の増加や労働者の生活への悪影響が懸念されている。
国会民族委員会のメンバーであるチャン・アー・ズオン氏は、過去の増税がたばこ密輸の急増を招いたことを指摘した。
2016年の増税後、押収された密輸たばこの数量は680万箱から750万箱へと増加し、2019年に税率を70%から75%に引き上げた際にも密輸品が急増したという。
同氏は増税のペースを緩やかにすることで、不正流通のリスクを抑制可能と述べている。
また、国境警備隊の麻薬・犯罪対策部門のレ・ティエン・タン中佐も、税率引き上げに合わせた法改正の必要性を強調した。
特に不正流通に関与する行為への厳格な罰則を盛り込むため、2020年の政令98/2020/NĐ-CPの改正を提案した。
ベトナムたばこ協会のホー・レ・ギア会長は、増税の方針には賛同しつつも、急激な税率引き上げが業界に与える影響を考慮する必要があると述べている。
同氏はたばこ業界が過去10年間にわたり国家財政や雇用創出に貢献してきた実績を指摘し、急激な増税が合法市場を縮小させ、不正流通を拡大させる可能性を警告した。
同会長は2026年に2000ドン(約12.2円)、2028年にさらに2000ドン、2030年にも同額を追加増税する段階的な増税案を提案している。
また、ベトナム商工会議所(VCCI)のファン・トゥ・トゥイ氏は、現在の増税案が企業の再編や市場安定を妨げる可能性を指摘した。
特に増税の急進的な実施が国内消費者を密輸品に向かわせるリスクを強調し、緩やかな増税スケジュールの必要性を訴えた。
財務省は特別消費税法改正案においてたばこ製品に対する税制改革を提案しており、税率は相対税である現在の75%を維持しつつ、絶対税を追加する2つの選択肢を提示している。
選択肢1では2026年に1箱あたり2000ドン(約12.2円)を増税し、2030年には1万ドン(約61円)の増税を達成する。
選択肢2では2026年に一気に5000ドン(約30.5円)を増税し、その後毎年1000ドン(約6.1円)ずつ引き上げ、2030年に1万ドン(約61円)を達成する。
財務省は消費抑制を優先し、選択肢2を支持しているが、業界や専門家の間では負担軽減と市場安定を考慮した慎重なアプローチが求められている。
今後の議論を通じて、健康促進と財政基盤の強化を両立させる現実的な政策が模索される見通しである。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。