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ベトナムで女性の肥満率が急増、健康問題への対応に課題
<写真:kinhtedothi.vn>
ベトナムは肥満や過体重の増加率が世界で最も高い国の1つとなっており、大人から子供まで健康問題が深刻化している。
しかし、この状況に対する対策は十分とは言えず、課題が山積みの状態である。
ホーチミン市食品栄養協会のド・ティ・ゴック・ディエップ会長によれば、1995年から2016年にかけてベトナム女性の肥満率は年間6.9%の増加を記録し、世界で最も高い水準に達した。
同期間に男性の肥満率も年間9.5%増加し、こちらはラオスに次ぐ2位となっている。
さらに、国際肥満連盟(WOF)は、2030年までにベトナムが学齢期の子供の肥満率およびその増加速度で世界トップクラスになると予測している。
この問題は経済的損失だけではなく、医療システムにも大きな負担を与える懸念がある。
ベトナム保健省のデータでは、2010年から2020年の10年間で、大人と子供の肥満率が2倍以上に増加し、20%を超えた。
特にホーチミン市では全国平均の2倍以上の肥満率が記録されており、小学生の57%、中学生の42%、高校生の25%が肥満または過体重とされている。
世界的な傾向としても、2020年時点で成人の42%が肥満とされ、2035年には54%に達する見込みである。
また、子供の肥満率は2020年の22%から2035年には39%に増加すると予測されている。
肥満は慢性かつ複雑な疾患であり、過剰な体脂肪が健康を損なう状態として定義される。
原因は環境要因、社会心理的要因、遺伝的要因など多岐にわたり、肥満は心血管疾患、代謝異常、精神的健康障害など200種類以上の疾患リスクを高めるとされている。
国際肥満連盟(WOF)の評価によると、ベトナムの肥満対策の準備状況は低い水準にとどまっている。
WHOが推奨する肥満対策計画のうち、ベトナムで実施されているのは30%以下である。
例えば、ASEAN諸国では砂糖入り飲料や加工食品への課税が行われているが、ベトナムでは依然として議論の段階にある。
肥満治療では栄養管理、運動、行動修正、医療介入の4つの柱が重要とされる。
特に、肥満に関連する合併症の予防や治療、生活の質の向上を目指すことが基本方針である。
治療方法は患者の状態や肥満の程度に応じて異なるが、ライフスタイルの改善が中心となる。
ベトナムでの肥満対策には、栄養バランスの取れた食事、運動習慣の推進、科学的な減量方法の普及が求められている。
しかし、現状では野菜や果物の摂取が国民の多くで推奨量に達しておらず、身体活動も不足している点が課題とされている。
肥満はベトナム国内だけではなく、世界的な公衆衛生上の課題でもあり、効果的かつ迅速な対応を取ることが、今後の健康問題の深刻化を防ぐために必要不可欠である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。