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ベトナムで豚肉価格が急騰、消費低迷で市場に広がる懸念

<写真:baotintuc.vn>
ベトナムで豚肉価格の上昇が続いており、生体豚の価格は1kg当たり8万ドン(約470円)を超え、過去1カ月で大幅な上昇を記録した。
これにより国内最大の養豚地帯であるドンナイ省の養豚業者が利益の増加を喜ぶ一方で、小売市場では価格高騰に伴う消費低迷が深刻化している。
ホーチミン市財務局は市内の価格安定化プログラムに基づき、3月3日から豚肉の小売価格を平均4~8.84%引き上げることを発表した。
具体的にはロース肉は1kg当たり16万ドン(約940円)、モモ肉は13万ドン(約763円)となり、その他の部位も15万6000~17万7000ドン(約916~1040円)に値上げされる。
これは生体豚の基準価格が7万4000ドン(約434円)に達したことを反映したものである。
ドンナイ省畜産協会のグエン・キム・ドアン副会長によると、生体豚は現在1kg当たり8万ドン(約470円)で取引されており、前月比で1万ドン(約59円)上昇している。
一部地域では8万2000~8万3000ドン(約482〜488円)での取引も確認されており、養豚業者は1頭当たり100万ドン(約5875円)以上の利益を得ているという。
ドンナイ省の養豚農家にとって、この価格上昇は収益回復の大きな要因となった。
過去には1kg当たり4万ドン(約235円)まで下落した時期もあり、長期間にわたる低迷からの脱却に期待が高まっている。
生体豚価格の上昇に伴い、ホーチミン市内の市場でも小売価格が急騰した。
3月1日時点で、市内の主要市場では、豚ヒレ肉が1kg当たり18万ドン(約1058円)、豚足が25万2000ドン(約1480円)、ロース肉が11万3000ドン(約665円)、モモ肉が14万9000ドン(約875円)に達し、特にスペアリブは30万ドン(約1762円)と大幅に値上げされた。
この価格上昇により消費が落ち込み、卸売市場や小売業者は仕入れの削減を余儀なくされている。
旧正月(テト)後の需要減少は例年のことであるが、今回は価格上昇が重なり、消費が一層落ち込みを見せているという。
ホーチミン市最大の農産物卸売市場であるビンディエン市場では、通常1日7000頭の豚肉取扱量が現在は3000~3500頭に減少している。
豚肉価格の急騰の主因は供給減少にあり、ドンナイ省では2024年に環境規制の一環として、飼育禁止区域にある約2000の養豚場が移転または閉鎖を余儀なくされた。
さらに、アフリカ豚熱(ASF)の断続的な発生や下痢症の流行により、養豚農家が早期出荷を迫られるケースが増加した。
感染リスクを懸念し、新たな子豚の導入を控える農家も多く、総飼育数の減少が続いている。
今後の価格動向に関しては、短期的には若干の上昇が続く可能性があるが、大手養豚企業や外資系企業(FDI)の農場が安定した供給を維持しているため、供給不足による極端な価格高騰は起こりにくいという。
旧正月後の需要減少に加え、輸入豚肉の増加も価格抑制要因となる見通しである。
また、ドンナイ省農業・地方開発局が養豚業者の負担軽減を目的に、養豚場移転期限を5年間延長する提案を行っている。
現在の法律では飼育禁止区域にある養豚場は2025年1月1日までに移転しなければならない。
しかし、同省は都市化の進行に伴い、今後も飼育禁止区域が拡大する可能性があることを懸念し、期限の延長が必要であると主張している。
このため、中央政府に対し、法律の改正や各地方で柔軟に移転期限を設定することが可能な制度変更を求めており、養豚業界の持続可能な発展を目指している。
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