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TikTok民間療法の実態、ベトナムの医療に深刻な影響

<写真:baoapbac.vn>
ベトナムにおいて、TikTokをはじめとするソーシャルメディア上で信頼性に欠ける健康情報が拡散され、特にがん患者に深刻な影響を及ぼしている。
医療機関によれば、「手術を受けるとがんが進行する」といった誤った情報を信じ、必要な治療を拒む患者が後を絶たない状況にある。
ハノイ医科大学病院の医師の報告によると、乳がん末期と診断された40歳の女性が手術および化学療法を拒否した。
この女性はTikTokで紹介された「断食とパパイヤの葉の煎じ液」を試すという自己流の療法に頼った。
2か月後、腫瘍は破裂した激痛によって再び病院を訪れたが、もはや有効な治療は望めない状態であったという。
同様の事例として、54歳の男性が直腸がんによる腸閉塞を起こしたが、緊急手術を拒み、代わりに伝統薬草に依存した。
5週間後、重篤な状態で病院に搬送されたが、すでに手遅れであった。
また、45歳の男性が「黒い血を抜く」という民間療法を模倣し、自ら足を切開した結果、重度の感染症により入院するという事例も報告されている。
TikTok上では「1週間でがんが治る」「一度で完治する」といったセンセーショナルな内容の動画が人気を集めており、再生回数は数十億回に達しているという。
こうした誤情報は、がん患者に限らず妊婦や若年層にも影響を及ぼし、健康に関する誤った習慣の拡大を招いている。
K病院の外科副部長は「科学的根拠のない情報によって、多くの患者が誤った判断を下し、命を縮めている」と強く警告している。
「早く・安く・簡単」といった要素を満たす療法がSNS上で過度に喧伝され、伝統医療への過度な依存が起こっているという。
このような状況に対し、医療従事者たちは正確な情報の提供と患者教育に尽力しているが、SNSの影響力や広告業者による巧妙な情報操作への抵抗には限界がある。
医師らは信頼性の高い政府機関、公的医療機関、認定医師による情報を参照するように市民に呼びかけると同時に、当局による偽情報の取り締まり強化が急務であると訴えている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。