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ドライヤーでの風邪治療が話題、根拠のない情報に医師が警鐘
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<写真:giadinhonline.vn>
ベトナムではヘアドライヤーを使って子どもの免疫力を高め、抗生物質なしでインフルエンザ等の病気を克服可能とする方法がSNS上で話題となっている。
しかし、医療専門家によれば、この方法に科学的根拠がなく、むしろ危険を伴う可能性がある。
最近、ある投稿がSNS上で注目を集めた。
投稿内ではヘアドライヤーの熱を利用することで「血液循環の促進、痰の緩和、免疫系の刺激、消化のサポート、風邪の予防」が可能であると主張されている。
具体的な方法として、入浴後や寒い場所から戻った際に、ヘアドライヤーで背中や肺、足裏を温めることが推奨されているという。
さらに、喉や肺に関連するツボを温めることで呼吸器系をサポートすることが可能とも説明されており、多くの保護者が関心を寄せている。
投稿は数万件のシェアとコメントを集め、広く拡散されている状況である。
この情報に対し、ベトナム血管疾患学会の会員であるドアン・ズー・マイン医師は「ヘアドライヤーは万能な治療法ではなく、誤った使用による感電事故のリスクさえある」と警鐘を鳴らした。
マイン医師によれば、寒い環境から戻った際に手足を温めること自体は問題ないが、子どもに使用する場合は大人が注意して行う必要がある。
また、ヘアドライヤーで体を温めても、細菌感染による肺炎や気管支炎の治療には効果がない。これらの疾患は寒さが直接の原因ではなく、適切な治療が不可欠である。
マイン医師は「軽症であれば抗生物質を使用しない場合もあるが、重症の場合は適切な治療をしなければ病状が悪化し、肺炎や呼吸不全に至る恐れがある」と強調する。
また、ホーチミン市医科大学附属病院のフエン・タン・ヴー医師も「ヘアドライヤーの使用が免疫力向上につながるという科学的根拠はない」との見解を示した。
ヴー医師は「温熱効果により一時的に寒さを和らげることは可能であるが、長時間の使用は火傷や皮膚の乾燥、感電のリスクを伴う」と指摘する。
さらに「ヘアドライヤーの熱は表面的なものであり、SNSで広まっているような万能な効果は期待できない」と述べた。
医師らは免疫力を高めるには科学的に実証された方法を実践することが重要であると強調している。
SNS上の情報を無批判に受け入れず、医師の助言に基づいた健康管理を行うことが、子どもたちの安全を守る上で重要である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。