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韓国空港で倒れるベトナム人妊婦、13病院の拒否で救急車内出産

<写真:vietnamnet.vn>
16日に韓国・仁川国際空港でベトナム出身の31歳の妊婦が倒れ、13の病院に受け入れを拒否された末、救急車内で出産するという深刻な事案が発生した。
韓国紙の朝鮮日報によれば、同日午後0時20分頃、仁川国際空港第1ターミナル出発ロビーで、妊婦A氏が倒れているとの通報があり、仁川消防署の救急隊が現場に駆けつけた。
A氏はすでに陣痛が始まっていたが、空港内の医療センターでは出産対応が困難であったため、救急隊は周辺の病院への搬送を試みた。
最寄りの仁荷大学病院(空港から約31km)に連絡を取ったが、産科医が不在であることを理由に受け入れを拒否された。
その後も首都圏の12の病院に対し受け入れを要請したが「治療不可」「病床不足」「初産での対応困難」といった理由で、すべて断られる結果となった。
午後1時51分、A氏を乗せた救急車は仁荷大学病院の駐車場に到着したが、依然として搬送先が見つからず、午後2時33分に救急車内で男児を出産するに至った。
出産後、母子は仁荷大学病院に搬送され、健康状態に問題はないことが確認された。
空港医療センターが出産に対応できなかった背景には、応急処置のみを前提とした運用体制の限界がある。
加えて、韓国全体で進行している医師不足や病床逼迫の影響も無視できない。
近年では、妊婦が病院に受け入れられず、救急車内で出産または死亡するケースが相次いで報告されている。
他国の主要空港においては、空港周辺に総合病院の救急部門が設置されている例が多い。
例えば、ニューヨークのJFK空港、ロンドンのヒースロー空港、日本の成田空港、シンガポールのチャンギ空港では、いずれも3〜6km圏内に救急対応可能な医療機関が整備されている。
一方、仁川国際空港の周辺には30km以上離れた場所にしか総合病院が存在せず、この地理的要因が対応の遅れに直結している。
これを受け、共に民主党のホ・ジョンシク議員は、仁川国際空港公社が政府から受け取る配当金を活用し、空港周辺に病院を建設可能とする法改正を提案している。
今回の事案を受け、仁川空港の関係者は「今後、緊急事態に迅速に対応できる体制の整備を検討する」と表明しており、今後の制度的対応が注目される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。