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年商10億ドン以上の個人事業主、電子インボイスを義務化

<写真:vietnamfinance.vn>
ベトナム政府は6月1日から年商10億ドン(約580万円)以上の個人事業主を対象に、定額課税制度を廃止し、電子インボイスの発行を義務付ける新制度を導入する。
これによりレジと税務当局のシステムを連携させ、売上情報をリアルタイムで把握する体制が構築される。
対象業種は飲食業、宿泊業、小売業など六業種にわたり、全国で約1万3000の事業者が該当する見込みである。
この制度は実際の売上高に基づいた課税を可能とし、税収の透明性向上および脱税防止を主な目的としている。
税務当局は既に全国の地方税務署に対して制度説明と事業者指導を指示しており、ホーチミン市ではすでに約200件の事業者を対象に試験運用が開始されている。
これにより制度開始前に円滑な運用体制を整える方針である。
一方で、小規模事業者からはさまざまな懸念の声も上がっている。
特に高齢者が多く働く事業所では、IT機器の導入や操作に対する不安が根強く、機器設置費用や専任人材の確保といった面で経済的な負担が指摘されている。
また、市場など通信環境が不安定な地域では、電子インボイスの発行に支障が出る可能性があり、運用面での柔軟な対応が求められる。
さらに、仕入れ先によってはインボイスが発行されないケースもあり、対応の難しさが懸念材料となっている。
ベトナム税務当局はこうした課題に対処すべく、制度導入に伴う支援体制の構築を進めている。
加えて、事業者の納税意識を高めるとともに、経理知識の向上を促す方針である。
将来的にはこの制度が中小企業の信頼性向上につながり、金融機関からの融資が受けやすくなると期待されている。
今回の制度導入はベトナムにおける税務行政のデジタル化を一層推進するものであり、民間経済の透明性と持続的な成長に資する重要な改革の一環である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。