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小規模事業者のVAT納付、経済実態にそぐわない売上閾値
<写真:tuoitre.vn>
ベトナムの現在の規定では、1日の売上が約28万ドン(約1641円)に達すると、個人事業主であっても付加価値税(VAT)を納めなければならない。
この低い閾値は、多くの小規模事業者にとって不合理であり、経済実態にそぐわないと批判されている。
ハノイ市ホアンマイ区で配車サービスの運転手をするホアン氏は、生活費の確保が難しい中で税金を支払うことに不満を感じているという。
ホアン氏は燃料費の増加が収入を圧迫しており、1日28万ドン(約1641円)以上の売上を達成しても利益がほぼ残らない状況を嘆いている。
また、ハノイ市ハイバーチュン区でフォー屋を経営するルエン氏も、現在の売上閾値では、わずか7〜8杯のフォーを販売しただけで税金を支払う義務が生じると述べ、厳しい経営環境において不合理な負担が重くのしかかっていると指摘する。
税制の専門家であるグエン・ゴック・トゥ氏によると、ベトナムは経済成長と消費者物価指数(CPI)の変動に応じて売上閾値を早急に引き上げるべきである。
トゥ氏は、現行の年間1億ドン(約58万6000円)の売上閾値は、過去10年間で物価やGDPが大幅に上昇した現在の経済状況に適していないと指摘する。
また、ベトナム税務アドバイザー協会の会長であるグエン・ティ・クック氏は、現行の税制が多くの小規模事業者に過剰な負担を強いる結果となっていると述べ、税金を負担させる際には、その収益が事業主の生活に及ぼす影響を十分に考慮すべきであると主張している。
ベトナム財務省は、付加価値税の課税対象となる年間売上の閾値を2億ドン(約117万2000円)に引き上げる案を示しているが、この閾値でも依然として多くの事業者が厳しい状況に置かれることが懸念される。
専門家や業界関係者からは、3億ドン(約175万8000円)以上に引き上げるべきとの意見も出ており、今後の国会での議論に注目が集まっている。
財務省は売上閾値を引き上げることで、地方の税収に与える影響についても考慮する必要があると述べているが、現実的な経済状況に基づいた調整が求められる状況である。
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