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ベトナム人のタイ観光関心が減退、航空業界は減便で対応

<写真:vov.vn>
近年、東南アジア屈指の観光地として高い人気を誇ってきたタイであるが、ベトナム人旅行者による渡航が減少傾向にある。
2025年1月から5月にかけてのタイ訪問者数は約30万人にとどまり、前年同期を下回る結果となった。
この背景にはタイ国内および隣国カンボジアとの国境付近における政治的な不安定さが影響している。
旅行会社によると、ツアーの催行自体は継続されているが、例年の繁忙期と比較して催行頻度は明らかに減少している。
例えば、べトラベルでは、かつて1日あたり4〜6団体が出発していたタイ行きツアーが、現在では1〜2団体にまで縮小されている。
こうした旅行需要の低下に対応する形で、航空各社もタイ路線の運航を見直している。
ベトジェットはホーチミン市とバンコクを結ぶ便を1日4便から3便に減らしたほか、ベトナム航空やベトラベル航空も同様に減便措置を講じている。
バンブー航空に至っては、同路線におけるオンライン予約を一時停止している状況である。
航空各社は競争の激化と搭乗率の低下によって収益の確保に苦慮しており、航空券価格も大幅に値下げされている。
例えば、7月中旬のプロモーション期間中には、ホーチミン市〜バンコク間の片道航空券が120万〜140万ドン(約6656〜7766円)と、ベトナム国内線よりも低価格で販売されている。
タイは依然として旅行先としての魅力を維持しているが、旅行者の間では治安や衛生環境に対する懸念が広がっている。
特に国境地帯の緊張や感染症の再拡大に対する不安が、旅行先選びに影響を及ぼしている。
タイ観光庁(TAT)の発表によれば、2024年にタイを訪れたベトナム人旅行者は約98万人であり、国別訪問者数で第11位を占めた。
訪問者に人気のアクティビティとしては、グルメ、歴史遺跡巡り、ナイトライフ、マッサージ、ビーチでのレジャーなどが挙げられる。
TATホーチミン事務所の担当者は「主要観光地の治安は安定しており、旅行者の体験に大きな影響はない」と述べ、安全確保の取り組みが継続されていることを強調した。
今後の需要回復は政治的・社会的な安定および衛生環境の改善にかかっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。