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ベトナム経済80年の軌跡、貧困と戦争から「東アジアの奇跡」への夢

〈写真:Qdnd.vn〉
1945年にベトナム民主共和国が誕生してから現在に至るまでの80年間、同国の経済は戦争、制度改革、そして国際的な環境変化を乗り越え、著しい発展を遂げてきた。
2025年には一人当たりGDPが5000ドル(約75万3750円)を超え、世界銀行の基準における「中所得国上位」に到達する見込みである。
これは、経済発展のビジョンと制度改革の成果を如実に物語っている。
1954年のジュネーブ協定以降、北部では計画経済体制が導入され、戦時下において基礎工業の育成が進められた。
しかし、1975年の南北統一後に全国で導入された統制経済は、深刻な経済停滞と危機を引き起こした。
これに対処するため、1986年に「ドイモイ(刷新)」政策が打ち出され、市場経済への転換が本格化した。
以降40年間にわたり、ベトナム経済は平均6.5%の成長率を維持した。
1990年代初頭に約60%に達していた貧困率は、2010年代には10%を下回り、現在では4%前後にまで減少している。
外資の積極的な導入や貿易自由化、国有企業改革が進展し、電子機器や携帯電話などの輸出が急増した。
2024年の電子関連輸出額は1350億ドル(約20兆3510円)に達し、全輸出の33.2%を占めるまでになっている。
一方で、外資依存の高まりや労働生産性の低さといった課題も顕在化している。
2024年の労働生産性は9200ドル(約138万6910円)にとどまり、依然としてマレーシアやタイを大きく下回っている。
また、外国直接投資(FDI)企業による輸出への依存度は72%に達し、国内産業の自立が喫緊の課題となっている。
加えて、制度の透明性、インフラ整備、人的資源の質、気候変動、人口高齢化といった構造的課題が、持続的な経済成長への制約要因として立ちはだかっている。
今後は経済の質的向上を図るとともに、ガバナンスの改革を進める必要がある。
特に、デジタル経済の発展とイノベーション主導型の成長への移行が、将来の成否を左右する鍵となる。
ベトナムは、21世紀における「東アジアの奇跡」としての地位を確立すべく、2030年代に二桁成長の達成を目指し、今世紀半ばまでに高所得国入りを果たすことを国家目標として掲げている。
この目標は、単なる経済的成功にとどまらず、国際社会における存在感の強化と、繁栄する国家像の実現に向けた挑戦でもある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。