おすすめのプロモーション
Loading...
Loading...
Loading...

ベトナム人健康寿命の課題、最晩年の約10年間は病と共に

2025年09月22日(月)07時00分 公開
ベトナム人健康寿命の課題、最晩年の約10年間は病と共に

<写真:vietnamnet.vn>

 

ベトナム人の平均寿命は74.7歳に達し、同程度の生活水準を持つ国々と比較しても高い水準にある。

 

一方で、健康寿命はこれに比して短く、人生の最晩年約10年間を慢性疾患と共に過ごす傾向が明らかとなっている。

 

この見解は18日にハノイ市で開催された「地域の健康管理と持続可能な発展」に関する座談会において、ベトナム応用医学研究所のチュオン・ホン・ソン所長によって示された。

 

ソン所長によれば、ベトナムでは64歳以降に複数の病気を同時に抱える高齢者が多く、長寿でありながら「不健康な老後」が社会課題となっている。

 

東南アジア諸国と比較すると、ベトナム人男性の平均寿命は域内で5位、女性は2位に位置するが、平均で約10年間を病と共に過ごす計算となる。

 

一方、日本では平均寿命が86歳、健康寿命が80歳に達しており、ベトナムとの差が顕著である。

 

また、ソン所長は疾病構造の変化についても言及した。かつてはコレラや赤痢といった感染症が主要な死因であったが、現在では心血管疾患、がん、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの非感染性疾患が死因の8割を占めている。

 

健康寿命の低さに寄与する要因として、ソン所長は3点を挙げている。

 

第1に栄養バランスの偏りが挙げられる。ビタミンAや鉄、亜鉛などの微量栄養素の欠乏が、子どもの発育や免疫力に悪影響を及ぼし、成人後の慢性疾患リスクを高めている。

 

一方で、ジャンクフードや糖分を多く含む飲料といった「空カロリー食品」の摂取が増加し、肥満も拡大している。

 

第2に喫煙や過度の飲酒、塩分の多い食事、野菜や果物の摂取不足、運動不足など、生活習慣の乱れが健康に悪影響を与えている。

 

第3に都市化およびテクノロジーの進展による生活の変化も要因となっている。

 

特に、在宅勤務の普及により若年層の運動不足が深刻化しており、加えて慢性的な睡眠不足や精神的ストレスも健康リスクを高めている。

 

また、大気汚染や気候変動といった環境要因も疾患の増加に拍車をかけている。

 

政府は2030年までに、平均寿命を75.5歳、健康寿命を少なくとも68歳に引き上げる目標を掲げている。

 

この目標達成に向けて、専門家らは予防重視のアプローチの重要性を指摘しており、具体的には栄養指導の強化、適度な運動の推奨、そして精神的健康への支援が不可欠であるとしている。

 

軍医学院の医師であるトゥ・クアン氏は「免疫力と体力の維持こそが病気予防の鍵であり、予防こそが最良の治療である」と強調した。

 

 

[© poste-vn.com 2012-2025 All Rights Reserved.]
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


行きたいお店を見つける
Loading...
Loading...
Loading...
ホーム ニュース 生活情報 お店探し 掲示板